2014年5月26日月曜日

ニホンミツバチ、家を大きくしました

 以前の投稿でニホンミツバチの待ち受け箱への入居を報告しましたが、GW後に他の2箱にも入居しているのが確認されました。あわせて3群がいることになります。

 使っている巣箱は重箱式と言って、底の無い重箱のような枠を積み重ねたものです。待ち受け箱としては、それを2段重ねて使っていたのですが、天井からぶら下がるように作られた巣板が下に伸ばされてくるので、更に枠を挿入して段数を増やしてあげる必要があります。


 先週、観察窓から覗いてみたところ(中を確認し易いように扉のついた窓を作ってあります)、最上段の枠はかなり巣板の数が増えており、先端の方は2段目まで到達している模様。入居してからまだ3週間くらいのはずですが、思ったより成長が早いです。まだ少し余裕はあるようですが、大きくなるとその分重くなり作業が大変になるため、早めに段数を増やすことにしました。

 ニホンミツバチは大人しく、少々のことでは刺されにくいとのことですが、念のため面布(ネット)を被り、長袖、手袋を装着して作業に取りかかります。


 一人がミツバチのいる枠を、よいしょっと持ち上げている間に、もう一人が追加分の枠を挿入します。


 持ち上げたところを、下から覗いてみます。やはり2段目まで巣板が到達しつつあります(巣板の落下を防ぐため、各枠に十字に竹格子を入れています。それが巣板にのみ込まれつつあるのがわかるでしょうか)。巣板の数は7〜8枚くらいでしょうか。それにしてもすごいミツバチの数!!!


 2段増やして、倍の4段となった巣箱。少し傾いているのが気になります。このあと、段がずれないように上下の段を針金で簡易固定しました。


 最初はミツバチたちも大きくなった家に戸惑っていた様子。入り口の上の巣枠の色を覚えているようで、まずはそちらに行こうとする個体が多いようです。写真の個体はその迷い蜂達(左が働き蜂、右の黒っぽいのが雄蜂)。しばらくすると学習するのか、すんなり出入りするようになりましたが、雄はなかなか新しい入り口にたどり着けない個体が多いようでした。やはり雄は。。。

 作業中、まわりを飛び回っている個体はいましたが、積極的に攻撃を仕掛けてくる個体は見受けられませんでした。何事も無く作業終了。油断は禁物ですが、ニホンミツバチは大人しいと言われる訳が少しわかりました。


 作業中に巣箱の入り口付近にオレンジ色の花粉団子が落ちているのに学生が気づきました。ニホンミツバチは色々な種類の花を訪れて集蜜することから、その蜂蜜は「百花蜜」と呼ばれますが、観察しているとクリーム色、オレンジ色、赤色など様々な色の花粉団子をつけて帰ってきています。

 拾った花粉を顕微鏡で覗いてみました。大きさが30μm前後の丸い花粉です。花粉の同定は難しそうですが、季節を追って見ていくと面白そうですね。