清光林業さんで林業のための道づくりを学ぶ
森林文化アカデミー クリエーター科 林業再生講座、今回は『山の道づくり』について学ぶため、奈良県吉野町の清光林業株式会社を訪れ、取締役副会長の岡橋清隆さんに現地をご案内頂
きながら、数々のポイントをご教示頂きました。
250年生の人工林、あまりにも見事すぎる林に唖然とする。人工林でも的確に人が介在
すれば天然林のような人工林をつくることが出来る。
さて、作業路についてあまりにも多くのことをご指導頂き書き切れませんので、ごく
一部を報告します。
奈良型作業をは幅員2.5m以内の道づくり
1.路線重視 2.工法
切り取り法面に丸太を裏積みして、土砂崩落を食い止める法面の安定化と植生誘導を図る。
ヘアピンカーブを尾根にとると、基本的に堅い場所となり、そこから支線も出しやすくなる。
積み込む丸太は末口径が12~13cmの丸太を使う。それより太ければ販売に回すべき、
逆に太すぎても作業路が悪くなる。
出来ることなら、写真で指差ししているような、辺材の少ない丸太が適している。
盛り土路面の法肩に丸太を埋め込み、補強する。
盛り土は適切な転圧、排水、路肩の補強などが重要。単に丸太を埋めるだけでは意味がない。
別の現場で、粗道づくりされた後を整備するところを見学。
路面を整備しながら、盛り土の法肩に丸太を設置しておられました。
丸太は8寸釘を打ち込んで固定されていました。
単に、「釘」と思われるかもしれませんが、この釘もちまちま打ち込んでいては熱を持って曲がり
やすくなり意味がない。 作業に当たられていた方は5回の打ち込みで打ち込み完了。技あり!
別の現場では、悪い事例のご紹介して下さいました。
何が悪いのか、どうして悪いのか、だからどう施工すべきか、を一つ一つ丁寧にご説明下さり
ました。
農林中金80周年森林再生基金1号線についても説明を受けました。
地形図での計画、現地踏査、そして実際の施工。 路線決定のためのポイントは何かを
その場、その場で詳しく説明して下さることで、「何のために道をつくるのか」を理解しやすく
なっていきます。
最後の現場は、「粗道づくり」の現場です。
要は「ヘアピンカーブをとる場所と取り方」、とくにヘアピンの描き方が重要、同じようでも車輌を
走行させて走りやすいヘアピンと、走行しにくいヘアピンがあることも学びました。
先行伐採して、バックホウで道をつくる。偶然にも先行伐採した丸太を載せて降りてこられ
ました。
オフセット型のグラップルで狭い場所を巧みに操作され、4WDのトラックに積み込みです。
この小型のグラップルが何ともパワフル。
朝4時に美濃市を出て、山の現場で16:30分、それから清光林業の事務所に戻りました。
帰り際には、清光林業株式会社取締役会長の岡橋清元さんにもお会いして、全国林業改良普及
協会の書籍『現場図解 道づくりの施工技術』も頂いて、帰路についたのです。
岡橋様、そして社員のみなさま、本日は5ヵ所もの現場にお邪魔しまして、大変お世話になり
ました。有り難う御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。