2014年6月5日木曜日

ファシリテーション入門;ファシリテーション・グラフィックとKJ法


山村づくり講座の1年生前期では、毎年「ファシリテーション入門」という専門科目を行っています。山村コミュニティに入って活動する準備、あるいは他分野の方々と協働するための基礎スキルとして、基礎的かつ代表的なファシリテーション技法を学びます。



2回目の授業では、午前中に「ファシリテーション・グラフィック」の基礎練習をしました。模造紙(名古屋圏ではB紙と言います^^)の貼り付け方、水性マジックの使い方、基本的な文字・線・アイコンなどの書き方を練習した後は、模擬会議を行っている内容をレコーダー(記録係)が実況中継よろしく書き出していきます。これにより会議参加者は、①自分の発言内容がきちんと書き留められる安心感を得る、②個々のノートテイクから解放されて会議内容に集中できる、③板書をふりかえることで議論の整理や合意がしやすなる、と言われています。さて、初めてやった7人は上手くできたかな?それぞれの個性が出て、楽しい板書になりました!



午後は、企画会議などでお馴染みの「ブレーンストーミング」と「KJ法」の演習を行いました。短時間にたくさんのアイデアを出し合う手法としてのブレストを10分間行った後、今回のテーマ「成功する田舎暮らし」について、出された200枚余りのカードをKJ法のステップで整理していきました。

現在では、発想法や企画術としてたくさんの手法が紹介されていますが、1967年に京大の人類学者・川喜田二郎氏がフィールドデータの整理法として提唱したKJ法は、半世紀たっても使い続けられています。それは、①提出された全てのアイデアを生かす、②徹底した合議による整理とネーミング、③個別に対立・矛盾する要素も抽象化した段階で統合する、という様々なワークショップ手法に通低する原則が貫かれているからでしょう。



約2時間をかけて今年の1年生7人がまとめた「田舎に暮らすために」の成果は!?良くも悪くも現在のみんなの認識を正確に反映したものでした。これを見返して、さらに発展的なテーマでKJワークを繰り返していくことで、合意形成や企画の技術が身に付いていくと思います。みんなどんどん実践して自分のモノにしてくださいね。


記 山村づくり講座 教員 嵯峨創平