クリエーター科の「林業専攻」学生が、山よりも川下の『販売』を考える。『木材の販売戦略』、
本日も岐阜県庁県産材流通課の中通さんをお迎えして、岐阜県が施策としてどのような戦略
を考えたのか。 そのための行政的努力は? 県内企業の努力は? 今、何をすべきか?
『木材を売る』・・・・どのような商品を、どう売るのか。
・強みと弱みは何か。
・お客様や競合他社は?
・消費三要素(Needs、Wants、Story)は?
・マーケティングとセールス
・製材工場はQCD+担当者の信頼性+会社の信頼性
どうしたら木材が売れるのか? どうしたら商品が売れるのか?
ブランド化、キャッチフレーズ、有名人の起用、他社とすみ分けできる商品の販売・・・など。
アメリカのローランド・ホールが提唱した『消費行動』の仮説。
・・・・・現在自分たちが売ろうとしている商品は、どのレベルにあるかを把握する。
例えば、滋賀県の「丸松木材㈱」のチラシ事例はどうか?
「今日も いい木材(ネタ) 入っています」という見出しの効果は?
製材工場にとって
Quality・・・大前提である。 Cost・・・本音では? Delivery・・・木材販売の課題
岐阜では「岐阜県産材」、「合法材」を照明する制度として、平成17年度に『ぎふ証明材』を導入。
その結果平成26年5月末までに660社が制度登録、原木市場取引量の70%以上を占めるよう
になった。
本制度によって、消費者や工務店、建築士など住宅建築関係者が容易に、かつ安心して岐阜県
産材を使用しているようになっています。
しかし、産地証明・合法木材証明だけでは、ブランド力が不足し、品質・性能の明らかな外材・他
県産材との差別化が不十分。
そこで大径化しつつある岐阜県産スギ材(特に梁桁材)対策として、『ぎふ性能表示材推進制
度』を導入。 そのころの杉材は太すぎて売れない。元落ちするような状況。
そうした問題を打開する一手段につながる行政施策が販売戦略の一助となる。
岐阜県内の中小製材工場でも品質・性能表示が可能な制度を創設し、JASとともに高品質な
製品の安定供給を目指しています。
近年では海外への輸出も検討。 その筆頭が韓国。 日本全体でも木材やキノコの輸出量は
年々増加している。
・健康志向からヒノキブームに対応してヒノキ丸太の輸出量が増加。
・中国や観光などの製材工場から韓国国内に安価なヒノキ製品が流通。
・韓国の富裕層に戸建て住宅志向が拡大。
・99%が2×4住宅。
岐阜県でもこうした海外進出を目指して、平成27年3月20日に『岐阜県産材輸出促進協議会』を
設立。
但し、韓国でのヒノキ需要は、内装材であり、寸法は2.4m(造材2.5m)。
岐阜県産材の品質・価格と韓国側の需要はミスマッチ。 輸出に向けた製品開発の必要性。
岐阜県側もどのように変化しなければ、海外輸出できないのかを再検討する必要がある。
最後に、来週までの宿題。
「今後検討すべき木材販売戦略について、学生各自が提案する」というもの。
この宿題をもらって、学生も唖然。 何を売ったら良いのか? どのような特徴のある
木材なのか? 事業の新規性、実現の可能性、実施体制はどうするのか?
さて、検討すべき項目はたくさんありますが、来週までにみなさん頑張って提案をまとめて
下さい。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。