先週土曜日(9/20)に生涯学習講座「ニホンミツバチと暮らす① ニホンミツバチの蜜をしぼる」を開催しました。クリエーター科山村づくり講座の実習でもお世話になっているニホンミツバチ協会さんとの連携講座です。
ニホンミツバチ協会事務局長山田さんの挨拶
ミツバチの生態のお話。皆さん聞き入ってます。
講義の後はいよいよ実習です。当初はアカデミー内に設置している巣箱から蜜をしぼることを予定していましたが、以前お伝えしたように7月の猛暑時に巣落ち、逃去してしまったために利用できる巣箱がありません。そこで協会さんから近隣のお寺さんにお願いしてもらい、境内に置いてある巣箱を利用させていただくことにしました。
最初にお墓の中に棲んでいるニホンミツバチの自然巣を皆で見学しました。墓石の隙間からミツバチが出入りしている姿を見て、皆テンションがあがります(個人のお墓なので写真はありません。すいません!)。
そしていよいよ巣箱から蜜を取ります。巣箱はお寺の本堂の軒下に設置してあります。参加者やアカデミースタッフは本堂の中に入らせてもらい、網戸越しに作業の様子を見学します。協会スタッフの方がネットを被り、重箱式巣箱を上段から切っていきます。これは底の無い重箱のような枠を積み重ねたもので、最上段に蓋がしてあります。その蓋から巣板が何枚も垂れ下がるように作られていて、上の方は蜜室、その下に花粉室、更に下の方はミツバチの子育てのスペースとなっています。そして上の方の枠だけを切りはずすことで幼虫や卵等を殺すこと無く蜂蜜を採取することができるのです。
軒下の巣箱。底の無い重箱を重ねたような構造です。
網戸越しに作業を見守ります
上の段を切り離したところ。ぎっしりと蜜が詰まっています。
巣の大きさを確認した上で2段目まで切り取りました。ご覧のようにぎっしりと蜜が詰まっています。網戸越しに見ていた参加者も切り離した途端、思わず身を乗り出します。その場で少し試食。そのおいしさに皆盛り上がりました。
切り離した巣枠はそのままアカデミーに持ち帰り、巣板を包丁で切り離して蜂蜜を分離します。ここでも試食をさせてもらいながらの作業です。蜜室の蓋を切りはなすと中からトロッと蜂蜜があふれてきます。至福の瞬間!
細かくして蜜を落とします。
蜜しぼりと言っても自然に蜜が垂れてくるのを待つため時間がかかります。方法の説明を受けたところでお昼休みとしました。
午前中だけでもボリュームのある内容ですが、昼からも講座は続きます。午後からはまずアカデミーの柳沢先生から蜜源植物の講義をしてもらいました。その後周辺の植物を見て歩きます。ちょうど花が少ない時期であまり花を見ることはできませんでしたが、タラノキの花が満開でいろいろな虫が訪れていました。このようにミツバチをきっかけとして、周辺の植物、さらにそれを利用する他の生き物についても関心を向けてもらえるとうれしいです。
満開のタラノキ。色々な昆虫が訪花していました。
その後、私から蜜蝋と木蝋の話を少しさせていただいた後、蜜蝋づくりに入ります。ミツバチの巣は働き蜂の腹部から分泌されるワックスで作られています。蜜をしぼった後の巣をお湯で溶かし、不純物を取り除くことで蜜蝋を精製することができるのです。今回は会長秘伝の方法で行いました。ミツバチの巣が鍋の中で見る見るうちに溶けていきます。不純物を取り除く作業を繰り返し、冷まして固めれば蜜蝋の出来上がりです。今回はさらに山田さんの指導のもと、蜜蝋にホホバオイルを混ぜて床用ワックス(?)を作りました。薬事法の関係で大きな声では言えませんが、ハンドクリームやリップクリームとして使う人もいるそうです。興味のある参加者さんが手に塗っていました(アレルギー体質の場合もあるので、あくまで自己責任です)。
溶かした蜜蝋にホホバオイルを混ぜていきます。
また蜜蝋は家具等の木製品の塗装にも使われます。今回はものづくり講座の和田先生もスタッフとして参加してもらっていたので、その場合の調整の仕方や使い方について説明をしていただきました。参加者の方々に聞いてみるとご自宅に木の家具のある人は多く、今後のメンテナンスに役立ててもらえるとうれしく思います。
木製品塗装についてのお話。
一日盛りだくさんの内容で、お腹いっぱいの人も多かったようですが、実際に巣箱を自宅に置いてみたいという人も多く、最後の質疑応答も熱いものでした。蜂蜜と蜜蝋製床用ワックス(?)をお土産に持ち帰っていただいて講座を終了しました。次回(10/11)は巣箱と蜜蝋キャンドルづくりです。
参加者の皆さん、ニホンミツバチ協会の皆さん、お疲れさま&ありがとうございました。
琥珀色に輝くニホンミツバチ蜂蜜タワー!