2014年12月4日木曜日

「森の色えんぴつ」できました!   

見て下さい! 世界にたった一つだけの色鉛筆。
しかも、1本ずつ柄になる木が違うんです。
つまり色も7色、木も7種類!「森のレインボー色えんぴつ」の出来上がり〜。


こんな素敵な色えんぴつを作る研修会がアカデミーで開催されました。一体何の研修会かというと、県内の幼稚園、小学校、中学校、高校の先生を対象とした専門研修(現場教員のための研修会)。担当したのは、わたくし萩原ナバ裕作&ものづくり教員、久津輪雅。

研修会のテーマは「森の多様さや、身近な木でものをつくる楽しさをどう伝えるかを体験的に学ぶ」こと。そこで誕生したのがこの色鉛筆でした。

当日は14名の先生方が県内各地から参加してくれました。
最初はややガチガチに緊張気味の先生たち。。


体験学習についてのレクチャーを10分だけした後、マットを持ってアカデミーの森に入る前に、まずは丸めたマットで叩き合い合戦!?お、ちょっとは笑顔が出て来たかな?

森に入ると、まずは森の葉っぱや森にある自然物を使った自然体験。
解説を聞いたり、頭で理解するのではなく、触ってみたり、比べてみたり、ニオイ嗅いでみたりと体験的に森の葉っぱの多様さや、森の楽しみ方に気づいてもらうようなプログラムを体験してもらいました。


お次は、先ほど使った「葉っぱ」と落葉樹の場合は「樹皮サンプル」をたよりに、森の中で7種類の木を見つけて集めてくるプログラム。皆さん悩みながらも、針葉樹、落葉樹、常緑樹の7種類が集まりました。ただ探して枝を切るだけでなく、森の管理の視点で、切った方が良さそうな枝を森や木をじっくり見ながら選ぶことも意識してもらいました。

ヒノキ、コシアブラ、タカノツメ、アラカシ、ソヨゴ、サカキ
今回お邪魔した森によく見られる7種の枝がずらりと並びました。



森を出る前に、マットの上で寝転び森を全体で感じる静かな時間をとりました。
たった10分程でしたが、普段あまり見ないアングルから森を見たり、ゴウゴウと風が渡る音を聞いたり、風に揺れる(踊る)木々の姿を見ることができたようで皆さんそれぞれに感動してました。


午後はいよいよ、生木を削ってものをつくる「グリーンウッドワーク」の道具を使っての色鉛筆づくり。森からいただいた命が姿を変えていきます。7種の木を削りながら,

「木によってぜんぜん匂いが違いますね」とか
「削る堅さや感触も樹種毎にぜんぜん違う〜」とか
「あ、削ってたら水がしみ出して来た!木って生きてるんですね」

なんていうコメントがありました。
これもまた7種類の木を、そして生木を削り比べるからこそ分かることですね。


完成後、皆さんの作品を並べたら、なんと素晴らしい!
色とりどりの樹皮の美しさもさることながら、ひとりとして、一本として同じ形の
ない世界に一本だけの色鉛筆が完成しました。オプションとして、バーナーペンで、樹種名をえんぴつに書いてみました。これなら樹皮標本にもなりますね。飾るだけでもカワイイえんぴつです。


「こんなにいろんな木が森の中にあるんですね」
「木によってぜんぜんニオイや質感が違うんですね」
「山に囲まれて生活しているけど、こんなにじっくり木をみたのは初めて!」
「自分でものをつくるっていいですね」
「鉛筆を作るとき、自分で切った木が一発で分かりました。」
「こんなに没頭できたのは久しぶりでした」
「視点の変えるといろいろ見えてくるんですね」
「森の命をいただいたんだなぁって感じました」
「みんな違って みんないいんですね」
「これからこうした体験をさっそく増やして行こうと思いました」

などなどいろいろな意見を受講した先生方からいただきました。


虹の7色、木の皮の7色、色にもいろいろあるように、木にもいろいろあるんです。

特別な道具はいりません。
大切なのは、「視点を変えること」
そして「頭ではなく、身体全体、五感で体感できる空間をつくること」です。

先生、これからも「森」をたっぷりと活用していってください。
だって岐阜県には森が沢山あるんですから。


そうそう、今回作った色鉛筆、みんなに自慢してくださいね。
たぶんそこから次の活動が始まると思いますよ。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作