2015年2月17日火曜日

林業経営では材積よりも金額が重要なのだ!

自伐林家は儲かりますよ』と語る菊池俊一郎さんをお招きして


 みなさん、JIRIです。
今回は緊急特別講義として、岐阜県のお隣である滋賀県に発表に来られた菊池俊一郎さんに、
近くに来られたついでと図々しくお招きして、自伐林家としての林業経営について講義してもらい
ました。
 菊池さんは愛媛県の人口約4万人の西予市の三瓶町でミカン生産をしながら、約30haの所有
森林で自伐型林業を実施され、全国林業改良普及協会の『自家伐出のすすめ』や『有利採材・仕
分け実践ガイド』などでの掲載、『林業新知識』の連載などでも知られています。

 兼業ながら年間2~4haの間伐を実施し、中山間地の生業スタイルモデルとも称されています。
作業道もレンタル機械で自ら敷設(2m前後)、1トン積みの林内作業車とチェンソーを駆使して巧み
な施業。挿し木苗生産をして植林も実施、枝打ちも年間10000本。
 

 補助事業を使わずに搬出間伐で収益を上げる取組」が紹介されています。



 売上高12000円(この金額は昔、森林組合で作業をしていたときの賃金を目安にしている)を
想定して、山の管理を委託でやるとなると、運賃に2800円、人件費3000円など積み上げると、
m3当たり手元には100円しか残らない。つまり、12000円もらうためには、120m3も切らないと
いけない。・・・・とんでもない計算。

 多くの森林所有者は小規模所有であり、専業で生活することは難しい。しかし収穫期が決まって
おらず、兼業で行うのは容易。
 山林所得は分離課税であり、税制面でうまく立ち回れば節税になる


 自分自身で目標を定め、日額30000円以上の売り上げを出さなければ、自分の日当が出ないと
考えて仕事をする。

 それを裏付けするのが伐出作業に於ける安全具の装着。→ 一番高いのは自分自身です。


 直径16cmの4m材なら10本で約1m3、丸太の末口直径を考え、単価を考え、採材を考える
意図的な曲がり材採材は良いが、「切ってみたら曲がっていた」では困る。

 曲がっていても高値で取引される丸太があることを知ることも重要。 
 

 伐採木の選木は、①除伐時に作業道の線形を考えて切り開く。②収入間伐の時は林縁部の
間伐率を下げる。③必要最低本数を間伐する。材積率で25~30%、伐倒方向は搬出を考えて。

 間伐すると年間の成長量は材積率で3%ほど、それを考えて間伐する。
 

 当然、枝打ちもする。6000本の密植から始まり、年間10000本の枝打ちを実施。

 コスト管理は、①システムの無駄を探る。②やってはいけないことを探る。
つまり遊んでいる機械はないか。今ある機械で他にできることはないか。エンジンオイルの点検は
こまめに・・・・・。

 作業路の開設はレンタルの重機で、

 苗も自分で作る。100年生のヒノキを接ぎ木することで、頂芽優勢を利用して採穂する。
100年生個体の先端折損木でも頂芽優勢が出ること、そしてミカン栽培で培った接ぎ木技術、
そして植物成長ホルモンに関する知識。・・・・・・鋭い観察力とセンス、努力の賜。


 経営の考え方は、「補助金を作業の経費とするな」、自分の飲み水は自分で管理する。

 もらえるものはもらった方がよい。しかし補助金だけをあてにする段階で「業」ではない。


 採材は木が立っている間に考える。伐採してから考えて意味がない。立木の状態のうちに頭で
描くもの。

 所有山林の作業路は幅員1.8~2.0mほど、最も作業路が入っている密度は800m/haあるため
斜面の上下方向に伐採しても、採材と搬出が樂。


 林業は「3K」職場といわれたが、今は違う。
「危険」はそれなりにあるが、段取りをしっかりやれば「きつい」「きたない」は無くなる。
無駄な動きを省き、仕事の効率を上げれば、汚れない。

 林業で重要なのは、材積ではない。日生産量を材積(m3)で比較するが、それは間違い。
林業経営を考えれば、『材積ではなく、稼ぎ出す金額が重要なのだ。』
 
材積が多くても収入が多いとは限らない。・・・・ホンマ。
 

 さて、菊池さんの指導は惜しみない。夕食の後には、学生のチェンソーで目立て指導まで。

 この目立てのどこが悪いのか。それを修正するにはどうしたらよいのか。

 さすが、地元の幼稚園から小学校、中学校、多くの大人を指導されてこられた実績が、この場面
でも見られました。

 なんと、チェンソー談義や目立て作業が夜の11:00まで続き、よい子のお休み時間をとうに過ぎて
しまいました。
 菊池さん、一日それも夜遅くまで有り難うございました。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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