今日は『平成26年度 岐阜県森林・林業関係合同発表会』、ここでクリエーター科の富井さんが
「ナラ枯れ材の利用促進に向けたテストマーケティング」と題して、課題研究発表をしました。
カシノナガキクイムシで枯れたミズナラ材の有効利用を目指して、一般消費者のナラ枯れ材に
対する意識調査、ナラ枯れ材製品のテストマーケティングを実施した内容を発表。
一般消費者に製品を購入してもらうための課題は何か?
ナラ枯れ材の強度はどうか。 一般消費者の好む塗装はどうか。 売値は適当か。
ナラ枯れ材であっても、一般消費者の意識を知った上で製品展開すれば購入してもらえる可能
性がある。 つまり「マーケットイン」の発想での取り組みが重要。
カシノナガキクイムシによる穿孔は木材の強度に影響しづらいことも判りました。
さて、本日は県の普及職員、研究所、森林文化アカデミー、郡上高等学校、恵那農業高等学校、
飛騨森林管理署、岐阜大学の野生動物間理学研究センターなど様々な分野での発表がありま
した。
普及職員として、安田さんは地元の林業事業体(根尾開発さん)から依頼された天然林施業の
支援と広葉樹材販売路開拓について発表。
普及職員2番手の伊佐治さんは、「県境をまたぐ公共施設木造化支援」について、地元の中濃
森林組合との連携と施業集約化などにより、愛知県の大口町が建設を予定していた保育園の
木造化を実現しつつある経過を報告。
他にも恵那農林事務所の事例や、下呂農林事務所の事例も発表がありました。
森林研究所の和田さんは、木材生産の作業システムについて架線系を中心に発表され、
労働安全や伐採技術の向上、架設技術の向上の問題点を指摘しました。
森林研究所の大橋さんは、昨年、岐阜県で大発生したマイマイガについて、詳しく発表。
私は個人的にはこの話題が最も興味が沸いた。 マスコミその他で10年周期で発生すると言われ
ていたが、岐阜県ではなんと40年以上大発生が観測されていなかった。
ゾンビウィルスで幼虫が死亡したとされたが、岐阜県内の死亡は「疫病」によるものが9割。
フェロモン剤によるトラップ効果があることなど、興味深い内容でした。
郡上高校は「未来の森づくり」と題して、郡上高校の演習林での活動について、具体的に発表。
間伐による林分の成長や埋土種子の発芽による植生の変化、針広混交林への誘導可能性など
元気いっぱい発表してくれました。
恵那農業高校は「演習林の環境整備活動」について、森林整備とそこで生産された木材の
利用を発表。地元の森林技術者から学んだり、ベンチ造りをしたりと、意欲的な姿を見ることが
できました。
さて、飛騨森林管理署からは「民国連携事業」によって、国有林と民有林での連携状況や
民有林関係者との情報交流、地歩自治体との協力体制などについて発表がありました。
最後は岐阜県林政部から岐阜大学の野生動物間理学研究センターに出向している和田さんの
発表です。
「岐阜県における森林下層植生衰退度ランク調査結果」について、ディアラインやSDR法による
指標について説明があり、これまでニホンジカの目撃がなかった場所でも食害があることなども
報告されました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。