2015年2月5日木曜日

冬だから見えるものがある ~冬に樹木を教える/冬に樹木を覚える~

クリエーター科1年生の『樹木学実習』と2年生の『樹木学指導実習』の後半戦2日間です。



この実習の目的は、「樹木を知る」です。樹木を様々な角度から観察し、教員が持っている知見を伝えることで、多角的な知識と同定能力を身に付けることを目標にしています。加えて、2年生は1年生を指導することで、指導能力も養おうとしています。人を教えることは、何より自分のためになります。

夏の1回目は荒天のために教室で2回目は冷温帯の夏緑広葉樹林で実習を行いました。

今回は、アカデミーの構内と演習林で冬の樹木を観察しました。常緑樹は、冬でも夏と同じような観察ができます。しかし、落葉樹は葉を落としているためにそうはいきません。しかし、葉をつけていないからこそ見えるものがあります。


例えば、枝ぶりや樹形。これらは、冬の方が観察しやすいのです。


例えば、冬芽。春になってのシュートの伸長と関連づけて冬芽を観察すると、樹木の生活戦略が見て取れます。過去のシュートの伸長は枝ぶりとして見ることができるので、難しいことではありません。


例えば、樹皮。これも樹種ごとに特徴があります。

冬で葉をつけていないからといって、恐れることはありません。冬の樹木観察は、楽しいのです。落葉広葉樹は1年の1/3は落葉しているので、葉のない樹木が同定できる能力を身に付けるということは、実用的にも大きな武器になります。

学生は、冬芽や樹皮の図鑑を片手に悪戦苦闘。でも、何度も検索をしているうちに、どんどん自分で落とせる(同定できる)ようになっていきます。 指導する2年生も、力が入ります。


2日目の午後は、試験です。枝や落ち葉といった現物と、夏の葉や樹皮などの教室に持ち込めないものは写真で、どれだけ同定できるかを確認します。さて、その結果はいかに。


せっかくなので、問題のいくつかを皆さんにもお見せします(写真が悪くて申し訳ありませんが)。いくつおわかりになるでしょうか。