商売につながる森林GIS利用提案をせよ!
エンジニア科2年生が学ぶ『林業IT』の授業。 この授業は技研森林組合連合会顧問であり、
岐阜県内外の森林GISに精通された中島義雄先生をお招きして、森林GISについて学びます。
今年の授業は、単にGIS操作を学ぶのではなく、森林文化アカデミーの山の木を、バイオマス
資源として、どのように把握して、計画的に木材生産するかを提案する際に、GISを利用すること
を想定して、授業を開始。 いわゆるプロポーザルを想定しました。
最初に、NHKクローズアップ現代で放送された内容2つについて考える。
1つ目は『地図力が社会を変える』について
この中では日本が地図教育やGIS教育にどれほど遅れているのかの現実を知りました。
アメリカのITベンチャー企業などは、無償で3D地図を公開し、「屋根にソーラーパネルを設置
したい個人が、ソーラーパネルを設置しても充分なエネルギーをまかなえるのか、屋根の高さ
や屋根角度をみることができ、購入するかどうかを判断するようになっている。
また、アメリカの小学校では3D地図の教育が実施されており、その中で地図を3Dプリンタ
出力して、その利用を小学生が考える地図教育を実施している。
2つ目は『急増!バイオマス発電 ~資源争奪戦の行方~』
バイオマス発電の盲点は何か? 林産物の安定供給のために何が必要か? そのための
情報把握はどうすべきか?
G空間×ICTで何が変わるか?
GISで何が判るか?
・位置をもつものはすべて空間情報。
・在庫量の原材料を把握。
・時間の変化による他の変化を把握する。
・シミュレーションして未来を予測する。
・事業リスクを軽減する。
学生たちは、演習林のバイオマス資源をクライアントにプロポーザルするためにどうすべき
かを検討します。
エンジニア科学生が4人ずつグループになって、演習林の山をバイオマス発電資材供給先に
売り込むためには、どのような森林GISの活用が必要かをグループ討議します。
各グループが計画案をプロポーザルして、それを採用するかどうかを皆で判定します。
同じグループ内にも認められないようなボロボロのプロポーザルまでありました。
さて、ここからは初歩的なGIS操作の一例。
岐阜県の標高分布のポリゴンを表示。 これは連続的に変化するもので、セル表現された
ラスタデータです。標高や気温、騒音レベルなどはラスタデータで表現されます。
ラスタは格子状のデータで表現されます。
続いては、連続的なサーフェスを現すTIN。 TINでは不規則な三角形で表現された標高を示し
ました。
そして、3D地図にも挑戦。
実は3D地図はラスタデータでできています。 実際に測定するレーザーは点データ
ですが、表現上はラスタです。
上の3D赤外線写真を限りなく拡大すると、下の写真のような一辺が50cmのラスタデータ
が現れました。
さて、次回は、スマートフォンを利用したGISに挑戦です。学生は全員がiフォンかスマホですので
どのような結果が出るか楽しみです。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。