2015年6月28日日曜日

スイス・フォレスターが語る『環境立国スイスの木質バイオマス利用』

林業再生講座学生がスイス・フォレスターシンポジウム参加

 岐阜県と高山市がスイス連邦チューリッヒ州のフォレスターであるロルフ・シュトリッカーさんを
お迎えしたシンポジウムを開催されましたので、クリエーター科林業再生講座の学生有志とJIRI
が参加しました。

 最初にスイス近自然学研究所代表の山脇正俊さんから、「近自然~豊に生き延びるために」
についての講演。


 そもそも「近自然」のとは、人間がかかわる自然を意味する。

 私たちは「新しい価値観を持つようになる」 その価値観は、量から質へ、集中から分散へ、
所有から利用へ。
 量は重・厚・長・大から、軽・薄・短・小への転換・・・・・量は質の一項目になった。
 ブランドからラベルの時代、FSCもその一つ。 


 ●価値観 → ライフスタイル → ニーズ → マーケット システム

 所有から利用へ(HoldingからSharing)

★システムを変えるには『考え方』を変える。パラダイム。・・・・・

●森は太陽エネルギーの凝縮である → 森は大きく、酸素を出す最良の工場である。


 スイスで実践される『近自然森づくり』も楽ではない。人件費、急勾配、木材価格、針葉樹、
補助金、環境法の厳しさなど不利な条件ばかりだが、「利益」を出す。


 ロルフさんからは、給配湯のエネルギーを石油やガスに頼れば、その経費はオイルマネーとして
中東の国々に流れていく。
 木質バイオマスに転換することで、エネルギー経費の95%がスイス国内、半分近くが地元に
収入として返ってくる。

 木質バイオマスはどのように使うのかがキーポイント。
 薪ボイラーは50kw以下、ペレットも50kw以下、つまり50kw以上ならウッドチップ利用が有効
ウッドチップ利用ならシステムを自動化できる。


 昨年、チューリッヒ州で使う木材の半分以上が燃料として利用。 ロルフさんたちは7家族で
ウッドチップボイラーを利用しているが、管理するのはロルフさん一人で充分。年間1000m3の
ウッドチップを燃やすとのこと。

 Oil of  Emmental(オイル・オブ・エメンタル)、つまりエメンタルの木材がオイルであるという意味。

脱石油が木材にある。


 フォレスターは「どのように木を売るか」が重要だが、
     もっと重要なのは「低質な木材をどう販売して儲けるか」が重要。

 傾いた広葉樹立木はどう伐採するか。 受け口をつくり、少しずつ(薄く)斜め切りしていって
年輪の中心が出るまで(芯が出るまで)つくれば、幹が裂けない。


 

 スイスの森は、私有林であっても誰が入っても良い。
例えば、ベリー類の採取、キノコ採取は誰もが採取できる。しかし保護種や木は勝手に採取でき
ない。

 法律では(日本の森林法みなたいなもの)、『森の持続性を維持し、それを高める』ことを規定。
持続性とは、①経済的な持続性、②安全性の持続性、③生物多様性の持続性、④社会的貢献
(雇用・レクレーション)の持続性、これらのバッティングするような持続性を共生させるマネージ
メントするのがフォレスターの仕事である。


 ちなみに、ロルフさんが日本で見た森で最も「近自然」を感じさせた森は、
長野県大町市の荒山林業さんだそうです。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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