2015年9月23日水曜日

里山景観マイスター養成講座(Advanceコース)第2回~柿渋絞り体験と塗料としての柿渋~


森と木のオープンカレッジ「里山景観マイスター養成講座(Advanceコース)」第2回を9月5日(土)に実施ました。2015年は山県市伊自良地区をフィールドに、渋柿畑と里山の復活をテーマに4回シリーズで展開中ですが、今回は森林文化アカデミーの木造建築講座・ものづくり講座の授業「木材塗装の基礎」の学生・教員とも合同で、「柿渋絞りの体験」と「塗料としての柿渋」について学びました。


かつて伊自良村の特産品であった柿渋は、岐阜市内の和傘生産に用いられていました。今その特産品の復活に向けて「伊自良大実連合会」という地元の生産農家と若者が手を組んだ組織が動き始めています。今夏は本格的な柿渋製造に向けて、お盆時季に青柿1.3トンを収穫して柿渋メーカーに出荷したなどの動きを聞きました。


午前中の「柿渋絞り体験」の講師は、連合会の若手コンビ横山さん・金子さんの2人です。自ら復元した巨大な万力で柿渋を絞る装置に入れる準備として、青い渋柿を臼と杵でていねいに叩きつぶします。丁寧さと根気のいる仕事です。


いよいよ絞り桶へと潰した青柿を入れて柿渋を絞ります。初めは足踏みで圧縮していくと、少しずつフルーティな香りのする青い柿渋が出てきました。ある程度圧縮ができた後は、いよいよ万力を使って本格的な絞りにかけます。この日はコンテナ2敗杯=約30kgからバケツ1杯の柿渋が絞れました。これを2~3年かけて熟成(発酵)させたものが柿渋の完成品になります。




午後からは、木工や塗料について森林文化アカデミーで教えている久津輪雅先生の指導で、「塗料としての柿渋」の特性や使い方について学びました。前半は、3種類の柿渋(京都、西濃、伊自良)を試験体の木材に塗った見本を提示しなががら、柿渋の主成分であるタンニンの特性、塗装の化学反応の原理、他の溶剤と反応させて赤や黒の色を出す技法、などを紹介いただきました。



これらの基礎をふまえて、各自が柿渋を塗った木板を手に、①さらに柿渋を重ね塗りする、②柿渋とベンガラ(酸化第二鉄)を混ぜた赤色の塗料を塗る、③柿渋(タンニン成分)とアンモニアを反応させて黒色に塗る、の実験を行いました。



これは予想以上に楽しくて、実験を超えてアーティスティックな作品に挑戦する人も多く見られました。こんな体験をしながら、 天然塗料である柿渋の良さや新しい可能性を、多くの人に知ってもらえるといいですね!


報告 山村づくり講座 教員 嵯峨創平