昨年、古田知事と涌井学長が現地を訪れ、
交流協定を結んだロッテンブルグ大学での研修に参加しているので、
その報告です。
ロッテンブルグ大学は、地域の森林を管理するフォレスターを養成する学校で、
最近では、フォレスター以外にも製材会社やバイオマス関連企業にも卒業生を
輩出しています。
アカデミーは2年間の学びですが、
こちらは4年間(8セメスター)になります。
今日は学内ツアーと演習林ツアーです。
建物は歴史的な建造物です。もともと修道院として使われていました。
こちらは、
大学では様々な研究が行われていますが、
基礎研究ではなく、実務的な研究が主になります。
いろいろなメーカーのボイラーを比較して、効率的な燃焼システムを研究しています。
メーカー側にとっても、研究への協力の見返りに研究成果を得ることができます。
こちらは燃焼用チップを入れる投入口で、冬はすべての暖房を学校のチップボイラーで
賄っています。1週間に20tトラック1車程度の燃料を投入しているとのことです。
学内ツアーの後は、演習林を歩きました。
主な樹種は、
ヨーロッパブナ(Fagus sylvatica)、ドイツトウヒ(Picea abies) 、
ヨーロッパモミ(シルバーファー)(Abies alba)、ヨーロッパナラ(オーク)(Quercus robur)
などです。
最終氷期にヨーロッパ大陸を覆っていた氷河の影響で、
日本ほど多くの樹種は存在しません。
また写真の右に移っているのは、ブナですが通直性があります。
天然更新で密生して育ったとはいえ、日本ではこんな通直なブナにはお目にかかれません。
一日のおわりにBBQでのおもてなしがありました。
その主役は…イノシシの丸焼きです!
ロッテンブルグの演習林を含めた森林を管理するフォレスターが獲ったそうです。
ロッテンブルグ大学の学生がさばいてくれました。
林業系の学生のうち、8割は狩猟免許を取るそうで、
演習林で狩猟を行うこともできます。
この研修には岩手大学、鹿児島大学、信州大学、愛媛大学、島根大学の学生も
参加しています。総勢50名程度の大所帯です。
さて、ツアーが始まる前にセレモニーがありました。
実はBW州が日本とドイツの学生間交流に関して資金援助をしてくれることになり、
協定締結校として、感謝を申し上げました。
昨年から始まった交流ですが、短期の交流以外にも長期の交流も始まり、
ドイツでの短期留学やインターンシップなど様々な可能性が開きつつあります。
安全装備、狩猟、バイオマス等、日本より進んでいる分野がたくさんあります。
ドイツで勉強して、日本で知識、技術を生かす。そんなキャリアもあるかもしれませんね。
また詳細が決まればご報告したいと思います。