2015年9月25日金曜日

ドイツ・ロッテンブルグ大学での研修報告〜ペレット事情や環境教育などなど〜

ロッテンブルグ大学での研修報告です。


研修は8日間の日程で、
広葉樹の造林地、バイオマス工場、製材工場、収穫現場などいろいろ見てきましたが、
とても全部は紹介しきれないので、一部だけご紹介します。


奥に見えるのはペレタイザーで、ロッテンブルグ大学のラボで、
バーク、灰分、木部などの配合比率を変えてペレットを製造し、
燃焼効率や微粒子の排出状況を調べています。




説明しているのは、ペルツ教授でバイオマスエネルギーが専門です。



ペレットは、大きな機械で大量生産するほど、製造コストが下がるため、
ドイツ国内で製造されるペレットのうち、多くが大規模な製造設備を持つ会社で作られています。

この写真はバイオマス発電工場の横にあるペレット工場です。
銀色の棟は、ペレットをためる倉庫です。かなり規模が大きいペレット工場です。




大きい製造設備の問題は大量に原料を使うため、輸送コストが高くなってしまうこと。
そこで、最近では小規模なペレット設備を、製材工場や食品工場の横に併設し、
近隣にペレットを供給するという流れが出来つつあるとのことです。




これは最終日に見た環境教育の施設です。



ドイツでは20年程前から環境意識が高まり、
自然保護活動がさかんに行われるようになりました。


森林にとっては無理な伐採が無くなり、持続性を担保できる反面、
木を伐って、使うことに対するイメージが悪くなりました。


そこで、州政府がお金を出して、
なぜ森林が大事なのか、木を使うことにどう意義があるのかを、
説明する施設をつくりました。


ここの施設の良いところは、
林業サイドの人と、教育サイドの人が一緒になって、コンテンツを作ったこと。
どうすれば分かりやすく伝えられるか、楽しみながら勉強できるか、ということを
お互い議論しながらつくったそうです。




ここはBW州の州都シュツッツガルト近郊にあり、市内から10分程度で行けます。
当日は、子供連れがいっぱいでした。





さてさて、
今回の日本とロッテンブルグ大学との交流ですが、
研修のコーディネートを担ってくれたのが、Mr. End です。

Mr. End は日本に留学していたので、日本が堪能です。
日独の交流にあたりMr. End からのメッセージはこちら




会うという漢字にかけて

機会(opportunity)
出会う(meet)
会議(discussion)

というメッセージを頂きました。今後、お互いの交流が進み、
森林利用についてディスカッションが深まるよう期待を込めたメッセージです。

そのMr. End から研修の終了時に頂いたメッセージは、

再会!(meet again)

でした。素晴らしい締めの言葉!日本人でもなかなか出来ません…



というわけでドイツでの研修は終了したわけですが、

10月11日(日)、12(月)に岐阜県高山市で行われる森林・林業・環境機械展示実演会に
ロッテンブルグ大学のペルツ教授が来て最新の木質バイオマスエネルギー事情について、
講演してくれます。森林文化アカデミーやロッテンブルグ大学の紹介ブースもあります。

ぜひ興味がある方はお越しくださいませ!

http://www.pref.gifu.lg.jp/sangyo-koyo/ringyo-mokuzai-sangyo/yutakanamori/keneirin/kikaiten.html