野生鳥獣と向き合い、どう地域で暮らすか?
クリエーター科1年生林業再生講座と山村づくり講座の学生が学ぶ『野生動物管理概論』、
今日は朝から郡上市和良町に出掛けて、元県庁の獣害対策監で、現在も郡上農林事務所で
獣害の対応に奔走されている酒井義広さんから、地域でどのように獣害対策に取り組むべきか
を学びました。
獣害被害が最も発生する農業被害、その農業生産額よりもはるかに多くの経費が獣害対策に
費やされる現在。
獣害に林業だの、農業だのとの境は無い。 如何に地域に根ざし、文化伝統を守り、そこで生
きるか。 農業しながら、ニホンジカの餌になるようなものを残さず、どのように地域を守るのか。
酒井さんの話は、自分自身が試行錯誤しながら対応された実体験からの話ばかりで、止まること
がない。
獣害対策の話を聞いたあとに出掛けたパワースポット「戸隠神社」の重ね岩は、手で簡単に
動く。
この周辺も昔は多くの植生が繁茂していたが、ニホンジカの食害に遭遇してから植生が後退
したままになっている。
地域ぐるみで鳥獣を追い払うための「退散鳥獣」というロケット花火銃を何度も改良して
宮地退散鳥獣工房で生産販売されている。
川尻建築にある工房には退散鳥獣の歴史がすべて展示されている。
最新作はステンレス管による銃。 銃にケース、50本のロケット花火つきで販売されている。
猪鹿無猿柵(いのしかむえんさく)の設置方法も実践説明。簡単に設置できて、簡単にはずせる
簡単で、安価でなければ、地域で利用されない。
ここでは退散鳥獣の発射も体験。 ロケット花火の発射に学生大喜び。
男性陣は2連発発射に夢中。 ロケット花火によっては不発もあるが、最新の退散鳥獣は
不発があっても安全に使用できる。
次に来たのはニホンジカをドロップネットで捕獲する「鹿とりくん(かとりくん)」を見学。
中央に置かれた米ぬかをニホンジカが食べると、ネットが自動落下する。 これで一頭仕留め
たそうです。
次の移動場所では、紅葉し、花が咲き、果実をつける。 そうした珍しいマルバノキが
ありました。
・・・・・ところで、紅葉する時期に花が咲く? 不思議に思いませんか?
最後に見たのは、地域の方々自作のニホンザル捕獲用の「失落園(しつらくえん)」、決して
失楽園ではありません。
業者に発注すると150万円もするものを、自分たちで作成してニホンザルの捕獲にも挑戦中。
何を間違えたか? 一頭の大きな服を着たオサルがいましたので、記念撮影。
ガルマリウム波トタンは滑って上れません。
今日は終日、和良町での研修でしたが、ここでは集落の方々が酒井さんの指導のもと
一致団結してニホンジカやイノシシ、ニホンザル、カラスに立ち向かいながら、地域の存続
に向けて頑張っている姿が見えたのです。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。