2015年10月10日土曜日

国内研修「森林と人の関わりについて考える〜黒潮に臨む森林とその利用〜」報告②ブナとアカガシの森を巡る


1日目(9/29)函南原生林(函南町)




今もなお受け継がれている貴重な熱海楠細工の伝統工芸を見学した後は、伊豆の先人たちが大切に守り、引き継いできた函南原生林の見学です。こちらが原生林の一部です。




この函南原生林は、箱根外輪山の一つ鞍掛山の標高840m付近南斜面から来光川上流域の550m付近に広がる総面積223haの自然林です。300年以上も手厚く保護されてきており、学術的にも貴重な森林です。今回は、この広大な森林の一部である、原生林(学習の道)コースを皆で歩きます。簡単に歩くと言いましたが、ここ函南原生林は特別に許可を得た者しか立ち入ることはできません。そういった意味でもとても貴重!!




スタートしてしばらくハコネザサの中を歩いて行くと、高木層をアカガシ、ヒメシャラ、ブナが優先する林内にたどり着きます。これは、学術的には非常に珍しい林況であると言えます。日本の冷温帯を代表する極相種のブナと暖温帯域で生育するアカガシが同じ環境下で高木層として優占しているのです。



こちらはアカガシの樹皮。将来森林に関わる仕事に就く学生にとっては、樹皮で同定するスキルを身に付ける必要もあります。




こちらはヒメシャラ!樹皮が黄金色でとても綺麗ですね。学生も見とれています。ヒメシャラは他にもたくさん生育しており、こんなにヒメシャラが多く存在する森林はそうは見られないはず!

林内を歩きながら、めぐり逢った様々な樹木たち。その一部をご紹介。
アカガシ、ヒメシャラ、ブナ、イヌガシ、イロハモミジ、アブラチャン、コクサギ、アオハダ、ケヤキ、オオモミジ、イヌシデ、イヌツゲ、イヌガヤ、ハリギリ、チドリノキ、ヤマボウシ、シラキ、タンナサワフタギ、ヤブニッケイ、カラスザンショウ、ウラジロガシ、カジカエデ、ハナイカダ、ツクバネガシ、イボタノキ、ミヤマシキミ等々。

一つ一つ気になるたびに同定したり、下記のようなことをしていたらどんどん時間が無くなっていき、先発隊において行かれることに・・・



ですが、それぐらいこの函南原生林は不思議で興味をそそられる森林でした。昔から禁伐をして今に至るまで残された貴重な森林をこれからどのようにして残していくのか、何を訴えていくのか、私達日本人の森林観が試されているような気がしました。

原生林歩きを通して様々な分野を学ぶ学生が何を感じ、何を得ることができたでしょうか。普段学んでいる岐阜県を飛び出して他の地域の森林を「見る」ことから始まる学びを体感した貴重な一日でした。

林業再生講座2年 黒木理沙

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