第一回は里山広葉樹林編として、アカデミーの柳沢先生が講義と実習指導に当たりました
午前中は、紙芝居を使った講義を聞いた後、周囲を散策しながら、植物の種の同定や、その特徴等について解説があり、遠目から見た森の違いについてもわかりやすく説明がありました。
午後は整備の実習です。
あらかじめ予定した場所に移動します。
この森は管理道路沿いなので、便利なのですが、枝が茂り、かなりうっそうとした感じです。
受講生から、見た感じを言葉で表現してもらいました。さらに、もし自分がこの森の管理を任されたとしたら、どんな森にしたいか、また、なぜそう思ったかを話してもらいました。
それぞれの思いや、目的が語られた結果、共通するキーワードとして出てきたのが、「明るくしたい」「見通しを良くしたい」「花や実などが楽しめるようにしたい」でした。
そこで、今回の整備方針としては、林床を明るくするため、中、低木を伐採する。特にヒサカキ、ソヨゴ、ヤブツバキ、イヌツゲ等の常緑広葉樹を優先的に除伐する。また、林床のササを低く刈りとることにしました。むろん、本当の管理者である昭和村担当職員さんの許可・同意を得たうえでの話です。
1時間ほどの作業でしたが、終わってみると、確かに明るく、見通しがよい、気持ちの良いスペースができていました。
最後に皆さんの感想を聞いて、終了しました。
ほぼ全員から、予想以上の環境の変化に驚いたことと、成果を得られた満足感があったという声が上がりました。
翌週は、人工林の手入れについて学んでもらいました。
場所は前回同様、昭和村公園内です。
午前中は施設内で講義を聞いてもらいました。
午後は実習です。
昭和村の人工林は少ないのですが、奥の一角にちょうどよいヒノキ林がありました。
まずは、釣り竿を使って、林の混み具合を調べます。 「森の健康診断」(矢作川水系森林ボランティア協議会)の調査方法です。一般市民向けの簡易な調査方法として紹介しました。
樹高も図ります。 これは見た目なので、あくまで推定値です。
測った値を、計算式に当てはめてみると、この林の混み具合が解ります。
何と、「超過密」という判定でした。
そこで、適正な密度に導くべく、切るべき木を選びました。
今回は入門編なので、選んだ中の細い木を実際に伐倒することにしました。
上手く伐倒できました。
次に枝払い、玉切りと、手仕事としてはハードなワークが続きます。
2時間ほどの実習でしたが、人工林の密度の調べ方と、適正な密度の基準、そして伐倒の方法について、駆け足で体験していただきました。
皆さん熱心に取り組まれていました。 実際に立木を伐倒したので、より達成感が高かったようです。
以上報告 原島幹典