2015年11月21日土曜日
「森のだいがく」今年も開校!
大学生協東海支部の学生さん達を対象とした人気の講座「森のだいがく」が今年も森林文化アカデミーで開催されました。環境のこと、森のことが気になりながらも、普段の生活では「森」「暮らし」からとかく離れがちな大学生たちを対象に「森と暮らしがつながる」体験学習をしてもらう、1日だけOPENする森の大学なんです。
今回の企画も運営もすべてアカデミーのエンジニア科の学生さんたちが担ってくれました。普段林業の勉強をしている「学び手」の彼らが、大学生を対象に「伝え手」となる体験を通して普段の学びをしっかりと落とし込んでもらいたいからです。人は何かを教える時が最もそのことについての学びを得ると言われています。まあそんな難しいことよりも、何より学生たちも楽しそう。自分たちの活動を誰かに伝えるのは、嬉しいようです。
当日は30名の大学生が東海各地から(中には三重県から)ここ岐阜県美濃市に集まってくれました。
今回のテーマは、「木こりプチ体験」。森と寄り添い、活用しながら暮らしてきた「木こり」体験をしてもらいながら大学生の皆さんに今の暮らしと違いや森とのつながりについて感じてもらおうというもの。今回のために企画者の学生、花村君は実際に木こりのおじさんたちにインタビューをしながらプログラムを作ったようです。これもまた彼にとってよい学習の場となったようです。
当日は30名の大学生が東海各地からここ岐阜県美濃市に集まってくれました。
「木の動きをまねた準備体操」をしたりして軽くウォーミングアップ。身も心もほぐれた後は、「火起こし体験」。木の特性を活かした火起こし器具を使ってチームのチカラを合わせて火起こしです。昔の木こりさんは作業を始める前に必ず火を起こしてから始めたそうです。初めての体験にみんなドキドキ!手のひらの中から「ポワッと」火がついた時には自然と歓声があがりました。
火が起きて作業の準備ができたので、いよいよ森へ。森の中を歩きながら歩道脇に生えている木々と昔の人の暮らしとのつながりの説明を聞きます。そしてまずはじめに着いた所は「山の神」。途中で採ったサカキをお供えしてお参りします。
木こり特有の「小昼(こびる)」のおにぎりを食べたあとは(今回は竹皮に包んだ手づくりおにぎり。これまた昔の人の森の資源の利用のひとつ。)間伐体験。間伐する木(命をいただく木)をチームで相談しながら慎重に決めて、いよいよ伐採。ノコギリを手に木を伐る体験は多くの学生にとって初めてのようでした。ノコギリの感触を味わいながら、木の香りを感じながら、そして木の命を思いながら一本の木を伐りました。
その後、みんなで運んで山から降ろします。一本丸々降ろします。途中の山道はクネクネなので皆で相談しながらうまく降ろさないといけません。これまたチームビルディングです。
やっとこさで降ろしてきた一本の木、年輪数えたら50歳。さてさてこれをいくらで売ろう?皆で値段をつけてもらったら、5万、10万、15万円!そうですよね。そのくらいの値段が当然ですよね。でも、現実はこの大きさだと市場価値が殆どないということに気づいてみんなビックリ!
最後は、みんなでふりかえり。
「初めて木を伐りました」
「火起こしを通して、普段の生活で火を何気なく使っていることに気づいた」
「林業のことをもっと気にしてみようと思った」
「暮らしと森とつなげるよう身の回りに木をもっとつかおうと思う」
「昔の人の自然との巧みなつながりに感心した」
などいろいろな意見が出ました。
他にも、ぶり縄のデモンストレーションや、薪割り体験、トビを使った丸太運び体験などもあり、参加者の皆さんはどっぷりときこり体験をしてもらえたのではないかと思います。
帰る前に、1ヶ月後の自分に向けてのメッセージや今日感じたことからの決意などを往復はがきに書いてもらいました。一ヶ月後にこちらから皆さんに送ります。今の自分から1ヶ月後の自分に手紙が届きます。そしてその時に今日のことを思い出してもらい、今度はまた1ヶ月後の皆さんからお手紙を私たちに書いてもらおうと思っています。
いったいどんなお手紙が届くことやら。
「前よりも森とつながったよ〜」なんてお手紙が来ることを楽しみにしています。
この企画を準備してくれた大学生の杉浦甘奈さん、アカデミー生の花村亮太くん、そして学生スタッフのみなさん、本当にお疲れさまでした。
「森のだいがく」世話人
自然体験活動指導者
インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作