10月27日、「地域プロジェクト実習」の授業で、飛騨市神岡町にある山之村という地域に伺いました。山之村では現在、飛騨の蕨粉を復活させようという活動が始まっており、森林文化アカデミーの学生である前原さんもその活動に参画するために山之村に通っており、蕨粉生産復活への第一歩を歩み出したところです。今回は、かつてこの地で盛んに生産され、最上級品として取引されていた蕨粉生産がなぜ急激に衰退してしまったのかを、蕨粉作り体験を通じて実感することができました。
蕨粉を作るのはちょうど今頃の季節。何年もデンプンをためて太く育った根茎を土から掘り出します。斜面で穴を掘り、根を捲りあげ、他の根と混ざらぬよう選別する作業はなかなか思うようには進みませんでした。
その根についた泥を川の流れで洗い流す作業です。10月末の山之村での水温が低く、長く手を入れていられませんでした。
泥を洗い流した蕨の根を潰す作業です。石の上で木槌を使用し叩いていきます。私たちは4人で息を合わせながら行いましたが、強くやると飛び散り弱くやると潰れず、そこの加減をしているとリズムが崩れるので、慣れるには長い時間が必要だと思いました。
潰した蕨は水船に入れ、水を注ぎ手で混ぜ合わせます。そこでヌルヌルとした液体が出るので、出なくなるまで水を注ぎ混ぜます。そこで出たヌルヌルしたものが蕨粉になるのです。
その後、ヌルヌルした液体を濾過させ不純物を取ります。
そこで、濾過させたものを沈殿させ、灰で余分な水分をとると!
白と黒の層がある、ケーキのようなものができます。
白い部分が、白花といい昔市場に出していたもの。黒い方が、黒花といい地元の人が自家消費していたものとなります。
このような工程の中で、生活できる分の蕨を取り生産していくのは、作業コストがかかりすぎ、尚且つ代替え品が外国から入ってきてしまったため、現在では衰退してしまったようです。私自身も、根を掘るところから関わり最終的に沈殿したものを見て感動はしたものの、収量効率の悪さを補えるだけの現代的な価値を見出せるのかどうか、考えさせられました。
山村づくり講座2年 だいき
投稿者 原島幹典
投稿者 原島幹典