岐阜県立森林文化アカデミーが協定を組んでいるドイツ・ロッテンブルク林業単科大学
そこからインターンシップのため来日している学生のマティアスさんと岐阜県庁林政部を
訪問しました。
県庁では、瀬上林政部長さん、高井林政部次長さん、池戸林政課長さんに、研修の進捗
状況を報告すると同時に、木材市場での研修を実施しました。 ドイツ語の通訳は杉岡数
幸さんです。
林政部長さんは昨年、ドイツロッテンブルク大学などを訪問されており、思い出も交えながら
マティアスさんに質問されていました。
県庁を出て、最初に向かったのは小林三之助商店の各務原営業所木材部、ここでは石井大三
所長さんから日本の広葉樹やヨーロッパで買い付けてくる広葉樹の話をお聞きした後、実際の
原木を見学。
トチノキやケヤキが並んでいますが、ドイツには存在しないらしく、興味津々!!
手前のサクラ2本と3,4本目のケヤキを比べると、手前のサクラの方が値段が高い!
なんと言っても通直だと良いのですが、年輪幅、色合いによっても値段は差がつく、
ヨーロッパの広葉樹と日本の広葉樹の違いなども説明して頂きました。
石井所長はドイツやデンマーク、クロアチア、ポーランドなど各国で木材を見定めるそうで、
例えばこのケヤキならどう見るのかも説明して頂きました。
さて、今回入荷していた一番大きな木材はイチョウでした。これもドイツには存在しない木材で
マティアスさんも見入っていました。
続いて訪問させて頂いたのは平野木材さん、代表取締役の平野健一さんと常務の岩出信彦
さんに、製材製品から順に説明して頂きました。
アフリカ原産のブビンガやウエンジ、マホガニーは産地も様々、黒柿は東南アジア産、アメリカ産
のモンキーポッドなど、どのような原木をどこから輸入するのかについても説明して頂きました。
外材だけでなく、国産のトチノキやケヤキ、モミなどの製品も数多く並んでいました。
ここで最も大きかったのが、山梨県産のケヤキで、このブログのトップにある写真のものでした。
さて、今日は盛りだくさんの木材市場ツアー、最後は東海木材相互市場で小森淳史市場長さん
から原木の取り扱い、製品の取り扱い、プレカットなど、木材の取扱量などについて説明を受け、
早速、見学させていただきました。
ここは主に枝打ちされた木材である役物や銘木などが取り扱われています。
最初に、岐阜県の代表木材「東濃桧」の製品を見学、無節はどの面か、どこに上小節が出る
のかまで明記してあることを確認。
良ければ一本30000円、悪ければ一本3000円の価格差に、マティアスさんも驚き。
プレカットは初めて見たそうで、全自動で機械が動くのを興味深げに見学していました。
ここでは機械によるプレカットでしたが、隣のブースでは職人は墨付けする手刻みの仕口づくり
もされていました。
全自動のプレカット部材と、図面のすりあわせについて説明を受け、その複雑さに感心する
マティアスさん。
自動の機械にも、建築の複雑さにも驚いた様子でした。
続いて、原木を見学。 下の写真は滋賀県の神社にあったヒノキ、このヒノキは定期的に樹皮
(檜皮)を剥いだものであるため、樹皮が違って見えます。
市場長さんによると、檜皮を剥いだヒノキの心材は赤くなる傾向があり、この赤い心材は台湾の
バイヤーに人気があるそうです。
最後に、スギの天然木、300年以上の丸太ですが、なんと中心から3cmほどは年輪が詰まり
過ぎて、読み取れません。
年数も300年以上であることは確かですが、どれほどの樹齢なのか見当もつきません。
大きさも、年輪密度も、色合いもすごいスギ材でした。
今日は一日、ハードスケジュールであったため、森林文化アカデミーには暗くなってからの
到着となったのです。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。