2015年11月5日木曜日

自力建設の現場から⑥~掘り方後半戦~捨コン打設

自力建設の現場から第6回目は掘り方後半戦~捨コン打設までです。

前回までに材料の加工が終わったので、また現場の山の中に戻り、やり残した掘り方の仕上げを行います。お盆明けのこの頃は暑さのピークを越えていたので、多少(ほんとに多少)ですが、作業が楽になっていたような気がします。

おおむね目指す深さまで掘り終わって、こういった状況になりました。建築現場というより、遺跡の発掘現場といった雰囲気が出ています。



奥の方、中央にある巨大な岩は人力では移動させることは難しいため、基礎の中に埋め込むor建物内に出すということに決めました。
掘り方が終わった後は、砕石をまいて転圧を掛けます。砕石は通常買ってくるようなものなのですが、この現場はとにかく石はいっぱい出てくるので、出てきた石をサイズで選別して利用しています。

転圧はランマーという機械を使って行います、操るのはこの道半世紀を超える大ベテランの平田さん、毎年自力建設ではお世話になっています。私が操作すると機械に振り回されますが、平田さんはこの狭い敷地の中、細かく回って転圧を掛けていきます。



平田さんは経験が長いので、生コンがなかったころの話やその他もろもろのすごい話を聞かせてくれます。また、機械がない時代からやっているので、肝心な部分は何かを知っているので、そのあたりの話が非常に勉強になります。


転圧を掛けた後は捨コンの打設に入るのですが、コンクリート搬入用の作業道と水が必要になります。

まずは作業道。敷地から軽トラで上がってこれる道までを掘り返してならして、一輪車が通りやすいように道板を敷きます。



続いては水。敷地の上の方に演習林の管理人さんが水場を作ってくれているので、その場所からホースで延々と引いてきます。水圧が気になるところでしたが、高低差だけでそれなりの量が出てくれました。ちなみにですが、水場につながる道もこの時期に作りました



準備も整ったので、捨コン打設です。作業は林業再生講座1年生、En2年生、木造建築2年生の皆さんに助けてもらいました。ありがとうございます。

さて、皆様はコンククリートは何からできているかはご存知でしょうか。コンクリートはセメント、水、砂利(砂)を混ぜたものです。今回は空練りコンクリート(水以外を混ぜてあるもの)を使用しました。現場では水を混ぜて使用します。




一輪車に空練りコンクリートを入れて、それに合わせた水を入れて混ぜます。混ぜる割合は平田さん指導です。
私はコンクリートとのファーストコンタクトに近いのですが、混ぜた感じは思っていたよりも硬いなと思いました。あと、非常に重たいです。一輪車で運ぶのはなかなかの重労働です。



作業道を敷地上側につけたので、一輪車で運んでそこからはシューターを使って流し込んでいきます。




練って、運んで、流し込んで、を繰り返して昼までに作業は終了しました。使用したコンクリートは約0.5立米です。



ある程度固まってきたら、墨だしを行います。丁張りから通り芯に糸を張って、そこから下げ振りを垂らして位置を出していきます。



打設、墨だしまで終わった現場です。発掘現場から、建築現場に近づいたような気がしますね(笑



木造建築講座一年 瑞慶山