2015年11月13日金曜日

薪ビジネスの可能性を探れ!

長野県伊那のDLDで薪の集配について学ぶ


 森林文化アカデミークリエーター科林業再生講座の「国内の先進林業事例」、この科目は学生
自身が勉強してみたい、調査してみたい林業関係団体でかけて学びます。

 今回は長野県伊那市にある株式会社DLDを訪問させて頂き、バイオエネルギー事業部
木平英一さんにお話しをお聞きしてきました。

 「」と聞いて何を思い浮かべますか? 木平さんは針葉樹薪のストーブ利用を劇的に促進
された立役者であり、薪の収集・宅配システムを確立された功労者でもあります。木平さんは
農学博士でもあり、ご説明の内容はすべてに理論的で、納得のいく、それでいて人情味ある話。

 
 DLDの薪集積場は20ヶ所あり、年間出荷量は3500m3~4000m3ほど、その多くが個人の家
などへの「薪の宅配サービス」で成り立っています。
 常時使う個人宅への宅配と、別荘などに対する宅配は使用量の違いや、常時消費か断続的
消費化の違いなどによって、契約が異なります。
 現在、実施しておられる宅配サービスは長野・山梨全域対象、②名古屋市・豊田市周辺エリア
対象、③仙台市全域・黒川郡・名取市対象、の3つで実施されています。 
 
 DLDは本来薪ストーブ関連の会社ですが、社員さんは5人、それにアルバイトが50人。
薪生産能力は2m3/人・日とのこと、出来高で賃金を支払うことが多いようです。
 

 広葉樹はすべて仙台方面に大型トラック25台分を搬送します。何でも薪の放射線量は40ベク
レルだそうです。 「食品の安全基準が100ベクレルなのに、なんで薪が?」と思いませんか?

 薪は燃えて灰になると0.5%ほどになるため、薪が灰になるとそこに含まれる放射性物質が
200倍に濃縮される。そう考えると、廃棄する灰は800ベクレルという筋書きらしいが、何とも
難しい。 しかし東北応援のため、努力されているのです。

 出荷のメインはカラマツで、元玉は岐阜県の合板工場へ、合板に使えない部分がDLDに来る。
小さな事業体や、若い林業家のものは率先して買い付けて、山で働いてくれる人を増やすための
応援をしている。
 薪の入荷は固定価格買い取り制度、多くが4m材で入荷し、税込み6100円/m3で買い取り。


 木平さんは、薪の善し悪しについて様々な議論があるが、重要なのは木材の比重ではないか?
と説明して下さいました。

例えば広葉樹薪のナラ類は気乾比重が0.68ぐらい、針葉樹のカラマツの気乾比重は0.50~0.53
アカマツは0.53、ヒノキは0.41、スギは0.38、だからスギはすぐに燃えて終わってしまう。

 どの原木も長さ45cmに玉切って、2つ以上に割裂する。夏場なら針葉樹は2ヶ月、広葉樹なら
半年で含水率が20%に低下する。
 

 偶然にも、地域の森林所有者の方が、軽トラックでアカマツの薪材(長さ45cm)を搬入されて
いた。
 この軽トラック一杯で、材積0.7m3という計算になる。 今日は一日に3回運ぶから18300円だね
とのお話。

 DLDでは薪割り機も取り扱っておられ、これは横向きにも、縦向きにもなる薪割り機。
大きな薪を割るには縦にすると便利。

 ROVER MODEL R21LS21tは21トンの破壊力があり、長さ630mmの薪まで対応し39万円
太いものを簡単に割って見せて下さいました。

 こちらは長いままの丸太をセットして、備え付けのチェンソーで玉切って、流れ作業で薪に割って、トラックに荷台に薪を投入する機械。
 FIREWOOD PROCESSORは長材に便利な機械。


 薪の宅配サービスは11~4月がメイン、針葉樹薪を浸透普及されるまでに、それまでの「広葉樹
神話」のような固定概念を打ち砕くのに、相当努力された様子。

 写真の薪ラックは0.6m3収納できる。薪束でいうと30束に相当するが、束ねた薪をつくるのに、
縛る針金が一束約5円、そして薪を積めて束にする工賃が45円、一束に合計50円を要する。

 棚には白いメモリがつけてあり、1メモリで1.5束(約30リットル)に相当する。宅配する単価を
考えると一束分で40円、しかも針金の廃棄物が出ない

 また減ってくれば自動的に宅配してくれるため、家の周りに大量の薪を置く必要もない


 ショールームには多くの薪ストーブが設置してあり、実際の燃焼状況を確認できます。

 写真中央で炎が見えているのは壁に埋め込んだ形の薪ストーブでHWAM I30/65です。
昔のダルマストーブと違い、最近の薪ストーブは燃焼効率が80%に達しており、相当効率よく
熱を利用できます。


 DLDでは年間約1000台の薪ストーブを販売設置されているそうですが、薪の温風暖房機も
取り扱っています。

 写真はある会社の暖房に利用されていたものを見学させてもらったのですが、DROLETの
ツンドラという薪ファーネス温風暖房機で、長野林大でも導入を検討されているらしいです。

 木平さん、長時間にわたってご説明頂けましたが、ブログには書ききれないほどの情報、有り難うございました。

 
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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