2015年12月17日木曜日

演習林はどう経営すべきか?

『森林経営計画実習』発表


 今日はクリエーター科林業再生講座2年生の「森林経営計画実習」の発表日。
発表者は遠藤さん、飯嶋さん、黒木さんの3人。

 ●実習の概要は、①アカデミー演習林の経営計画を各自が立案する。 ②演習林を1人の個人
  が所有する山林と仮定する。 ③現況に鑑み、経営方針と具体的な施業計画を立てる。
  ④現地調査を実施する。

 ●発表に盛り込む内容は、①森林の経営に関する長期方針、 ②多面的機能を高度に発揮
  しうる森林経営、 ③伐採材積や造林計画、④ゾーニング、 ⑤目標林型・施業計画、
  ⑥路網や集材計画など。  


 一番手の遠藤さんは、3人で57プロットを調査し、その結果アカデミーの演習林の林分は
2つに分類されることを指摘。

 1つは9~11齢級、もう1つは19~20齢級と極端に偏った林であること。それを齢級ごとに
100年伐期で「法正林化」を目指して施業する。


 そして、9~11齢級の林はみな、形状比が高い、つまりひょろひょろの林。 25ヶ所のうち17ヶ
所が形状比80以上。

 そして40%の林が相対幹距比Srが17よりも小さくなっている。 Sr11とかSr13の林もある。


 木材生産機能を主目的にゾーニングされた林分は
  1)長伐期施業
  2)100年伐期
  3)伐採後はスギまたはヒノキを植栽
  4)胸高直径26~40cmの建築用材を生産する
  5)間伐は利用可能な径級を中心に実施
  6)相対幹距比17未満の林を優先的に間伐する
  7)既存道と架線、スイングで集材        ・・・・・・最終的に演習林を法正林化する。


 次は飯嶋さんの発表。

森林の多面的機能を発揮しうる森林経営」を目指す。

 飯嶋さんは2つのタイプの森林に対して、80年生伐期を設定し、それを皆伐する方針。
目指す収穫木は胸高直径30cmとのことですが、この方針では、演習林は2つの林齢しか無く
なってしまいます。


 演習林はかつて、「古城山ヒノキ」のブランドで有名であったとの設定のもと、そのブランドを
復活させるような伐採計画を立てました。


 57ヶ所の調査ポイントを元に、ゾーニングを実施した。

 「シルブの森」による推定で、上層間伐した林分を、10年後に下層間伐するなどの試みで、
収入を図る様子を説明。



 作業路は演習林の中では完結できず、隣接地の国有林にまで入り込んで計画(青い線)。

 そして、無理に路網整備するのではなく、架線集材(下の写真のピンクの線)を活用する。



 三番手の黒木さん、彼女の森林経営に関する基本方針は、
  「森のようちえんなどで利用される森の条件から、保健・レクレーション機能、生物多様性保全
   機能を重視し、木材生産を図る」ものです。


 ヒノキ林とスギ林に分け、10年間隔での間伐と択伐を利用し、草地区分された場所は広葉樹
の植栽を計画。
 
 ヒノキは4寸角の柱材生産を目指し、相対幹距比Sr17以下の林分を段階的に間伐・択伐する。
集材は架線集材。
 

 スギについては、相対幹距比Sr20程度で管理し、65年生と75年生、85年生で皆伐する。

それを車両系で集材する計画。


 さて、3人の発表が終わって、全体討議。

 ここでは遠藤さん、飯嶋さん、黒木さんの学生3人と横井先生、杉本先生、JIRIの教員3人で
各々、どうすべきかを発言。

 生物多様性保全のために何をすべきか。演習林にはオオタカの営巣地、ムササビ生息地、
ニホンカモシカもいる。そうした野生動物も含めてどう考えるか?

 作業路開設をどう考えるか?  経営計画上、森林を単純化させるべきか、法正林化すべきか?

いつまで検討しても議論は尽きません。
さて、今年の3人は演習林を詳しく調査してくれました。そのお陰で、私たちにとっても非常に
良いデータが蓄積されました。来年からはこうした考えを持って、実際のフィールドで仕事に励む
ことでしょうから、良い練習になったと思います。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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