いつも年末に発行する「ぎふ家づくりの本」で特集を組んでもらいました。
昨年は、「温熱環境と健康」、その前は「パッシブデザイン住宅」や「性能向上リフォーム」、「岐阜の気象」など、その時々に応じたテーマで書いています。
今年は、11ページわたって、「計画力のある家」です。
アカデミーの木造建築教育で、1年生の時に即日設計というか、15分から30分設計を行っています。(木造建築の計画演習)
同じ敷地、同じ家族条件でも視点を変えると無限に計画ができてきます。
いつも、私も、学生と一緒に計画しプレゼンしていますが、今回の特集は、まさにこの計画演習の一コマです。
岐阜市の典型的な敷地として、45坪東入りの敷地に、家族3人の住宅として計画しています。今回はすべて私の設計で、1プラン当たり、数十分のラフなスケッチですが、その分少しとがった計画となっています。
建売住宅などでよく見るであろうプラン(これを考えるのが苦労した)を最初に示し、課題をいろいろ整理しました。
それに対して、別提案として、建坪を小さくすれば・・・、平屋だったら・・・、土間を作ったら・・・、南の庭を大きく取ったら・・・と、4つのプランを示し、それらの特徴を書き出しています。
そうすることで、コンパクトな家に仕上がり、坪単価は高いけど総工費は安くなり、掃除の手間も小さくなり、固定資産税が安くなり・・・といったメリットを整理しました。
もっと大きなメリットは、庭がしっかりとれることで、外構が豊かになり、それに合わせて暮らしも豊かになります。
そのためには、植栽が大切です。コンクリート舗装だけの殺風景ではいけません。
そこで、植栽の効果を通年、冬、夏に整理してまとめました。これを見ると、いろいろ植えたくなりますよ。
本屋(岐阜県内が中心ですが)で見かけたらぜひ手に取ってみてください。
また、アカデミーでは、各種性能のほか、計画力も大事にしていますので、木造建築をしっかり学びたい方は一度アカデミーにも遊びに来てください。
準教授 辻 充孝