2011年10月17日月曜日

10月に桜が咲く理由

森林文化アカデミーでもサクラの開花

日本中、東北から関東、中部、関西、四国、九州の北から南まで、全国各地で季節外れのサクラが咲いています。


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(開花の仕組み)
毎年、春咲くサクラの花芽は、前年の夏(7月頃)に形成され、その後に「休眠」という状態になります。
休眠した花芽は、一定期間、低温にさらされることで、休眠から目覚め、開花の準備を始めます。
これを専門用語で「休眠打破」といいます。休眠打破は、この秋から冬にかけて一定期間、低温状態にあることがポイントなのです。

春になって気温が上昇すると、花芽は徐々に膨らんで成長「生成」し、生成のピークになると「開花」するのです。

つまりサクラの花が咲くための「花芽形成」、「休眠」、「休眠打破」、「生成」、「開花」は、秋から冬にかけての気温と春の気温に大きく関係しています。


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(なぜ、季節はずれに咲くのか)
四季咲きサクラや十月サクラなど、一部のサクラを除いては、サクラの花の咲く時期は春です。
しかし、今回のように、本来春に咲くはずの花が秋に咲くのでしょう?

サクラの花芽はそもそも7月頃につくられます。一般的に言われる「狂い咲き(ボケ)」とは、花芽分化以降に、台風や虫の食害などで落葉前に葉が無くなってしまい。なおかつ、秋の低温で休眠打破がおこり、日中の暖かな日和に春と間違って開花するものです。

葉が無くなってしまうと、葉から開花抑制物質が無くなり、開花を制限するものがなくなります。
サクラは、条件さえ整えば、開花を始めてしまうので、報道をにぎわす「狂い咲き」は、夏場の異常乾燥による急激な落葉作用(自身の樹体を守るための生理現象)、極端な虫害によるもの、まれに台風の塩害などで、9月頃に葉がまったくなくなってしまったことが原因と考えられます。

以上  樹木医のジリより