2011年10月17日月曜日

「里山をかんがえる」

10月2日の日曜日、美濃市の上牧生涯学習センターにおいて、森林文化アカデミーの生涯学習連続講座「里山をかんがえる」の第一回目の講座を開催しました。

この連続講座は里山の歴史、人との関わり、そこに棲む生物、現在直面している問題などを順を追って学んでいただくようになっています。今回は一回目ということで里山の歴史、成立過程と人との関わりをテーマに講座を開催しました。


まずは参加者全員で自己紹介タイム。
一人ひとり握手をしながらお互いに自己紹介をします。
その際、受付時に自分で選んだ木の板を見せ合って、違う種類の木を選んだ人達3人でグループになってもらいます。
昼からの講座ではこの3人グループで動いてもらいました。

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この生涯学習センターは元小学校。黒板も残っています。
一時間目。
森林研究所の渡邉専門研究員から里山の歴史、成立過程について学びました。
薪や炭、肥料の採取といった人間の干渉が里山を維持してきたことについて、様々な事例をもとに説明がありました。

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お昼ご飯の後はアカデミーの松井教授より生活道具のお話。
道具は身体の延長である、という話を聞いた後、かつて人々は道具を直しながら使いつづけていたといった説明を受けました。
ひととおりの講義の後、自分たちで選んだ木の樹種の説明を受けました。

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そしてその後はこの生涯学習センターに収蔵されている数々の道具類を見て回り
自分の持っている木が使われているものがあるのか、探しました。
さらにそれはどういった道具に分類されるのか、どうしてその木が使われているのかを考えます。

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なかなか探すのが難しい樹木もあったようですが(そもそも木目から樹種を判断するのが難しい!)
協力し合ってなんとか探し出していらっしゃいました。

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そして記入シートに書き込んだ後、グループごとに発表。
皆でそれぞれで見たこと、考えたことを共有します。

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昔(といってもそんなに古い話ではない、おじいちゃんおばあちゃんの時代)の人は、里山をはじめとする山の樹木をうまく生活の中に取り入れてきたことを実感しました。里山というキーワードを離れてみても、現代の生活を見つめ直すいい機会になったようです。今の時代はいろいろと便利ですが、我々は本当に豊かな生活を送っているのでしょうか?いろいろと思うところがある講座でした。

連続講座「里山をかんがえる」では、こういった人々と里山の関係性を出発点にし、残り2回の講座で現状の里山がもっている様々な側面について学び、今後の里山の利用について考えていきます。

連続講座主任:津田