本日、岐阜県郡上市で「第18回森林生産システム研究会」が開催されました。
現地視察は郡上市白鳥町石徹白の林建協働による森林整備推進現場です。
最新の林業機械について、住友林業の楢崎達也さんが説明し、油圧ショベル(バックホウ)の先端部分を簡単に交換できるオイルクイックや、アームが伸びて12m先の木材をつかめるロングリーチグラップルを現場で紹介して下さった。
最初に、オイルクイックは静岡県の天竜でフォレストテクニックを経営されている吉良さんが、オペレーターをしながら説明。
なんと左のバケット、右のブレーカー、そして中央のグラップルがものの5秒くらいで交換でき、すぐに動作できる。
グラップルのアタッチメント側には4つの油圧ホース連結部がある。
これに対応するように本体のアーム先端にも、4つの油圧接続部があり、本体からは常時油圧が作動していますが、油漏れなどは全くありません。
先日来日したドイツ人フォレスターたちが、このクイックチェンジ方式でないと仕事がはかどらない。と言っていたのが実感できました。
よく聞くと、この装置はドイツが最も輸入しているらしい。
次に、0.25クラスのグラップル、045クラスのグラップル、0.45クラスのロングリーチグラップルを動作比較しました。
ここで0.25とは油圧ショベルのバケットの大きさを意味し、一回で0.25立方メートルの土砂を掻き出すことができるものを指し、重量的には8tonの重さがあります。
0.45は約12tonの重さがあり、日本の林業の現場ではこの両者が主流となっていますが、ドイツなどでは30ton級が利用されています。
最初に0.25クラスではブームとアームで4m先をつかむのもおぼつかない状態です。
次に0.45ですが、フォレストテクニックの吉良さんがうまく操作されていますが、なんとか7m先のものがつかめたのでしょうか。
最後に、関西から来て下さった八木木材の八木浩専務さんの実演によるロングリーチグラップル操作。こちらはアームが伸縮するため最大12m先のものがつかめます。
また、アームの伸縮を利用して長尺材(長い全幹)のまま、縦にひっくり返したりすることが可能で、想像以上に利用勝手が良い。
CAT製で同じ0.45クラスより300万円高くなるようですが、使い勝手は雲泥の差です。
林業機械も日進月歩で、新しいものが導入されつつあり、大変すばらしいのですが、機械が高性能化することだけに目が向けられる現実に、寂しさを感じます。
本来の「山」はどうあるべきで、私たちはそのために「何を」すべきか。現実の間伐が行き届かない「山」を前に林業再生の将来を見据えたいものです。
報告 ジリこと川尻秀樹
◆後日の追記
クイックチェンジについてオイルクイックを紹介しましたが、他の機械式の手法もあります。操作の簡単さなどを考えるとオイル式、頑丈さから考えると機械式という見方もありますが、重要なのは使用される方自身にあると思いますので、よく勉強して下さい。