��教育や研究についての思い、メッセージ。)
木質構造の研究及び教育をしています。建築の中でも構造は苦手意識の高い分野であり、構造の花形は超高層ビルなどですので、建築全体では、木質構造はマイナー中のマイナーで、携わる人数も非常に少ない分野です。しかし、木材という素材を生かすも殺すも木質構造だと考えています。国産材や地域材を適材適所に使いこなす、その技術的な役割の中心を木質構造設計者が担います。木質構造設計者は、間伐材利用や長伐期材利用などの促進にも必要ですし、新築の木造住宅における構造設計はもちろんのこと、公共建築の木造化などの促進にも必要となります。また、既存建物の改修においても耐震改修にも必要となります。森林地域と都市を繋ぎ、環境にやさしい建物づくりをする、時代のキーパーソンとして、木質構造に取り組んでみませんか。
��経歴、受賞歴等)
1973年、東京都出身。工学院大学工学部建築学科卒業(1996)、工学院大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了(1998)、同博士課程修了(2001)、2001年より現職。1994年より木質構造一筋18年。
共著に、「目で見る木造住宅の耐震性」宮澤健二編著・東洋書房(2007)、「岐阜県産スギ横架材のスパン表」・岐阜県木材協同組合連合会(2009)、「木質構造基礎理論」日本建築学会・丸善(2010)など。
受賞に、ひかり壁:「あいち木造住宅耐震補強技術コンペ」最優秀賞・愛知県建築地震災害軽減システム研究協議会(2006)、新供給システムA-WOOD:「第6回木材供給システム優良事例コンクール」林野庁長官賞・日本木材情報センター(2006)、長久手平成こども塾活動拠点施設:「平成19年度ログハウス建築コンテスト」農林水産大臣賞・日本ログハウス協会(2007)、美濃道の駅:平成20年度「第5回木の建築賞」最優秀賞、特定非営利活動法人木の建築フォラム(2009)、外装サイディングによる耐震補強・外装リニューアル工法:「第4回あいち木造住宅耐震補強事例コンペ」佳作・愛知県建築地震災害軽減システム研究協議会(2010)など。
��研究、論文、著書、作品など)
【高倍率面格子耐力壁】面格子耐力壁の研究・開発をしています。地域の設計士、工務店、プレカット工場、乾燥工場や行政の方々とコラボレートして、岐阜県産材による面格子耐力壁を研究・開発し、筋かい耐力壁や構造用合板耐力壁よりも最大強度が遙かに高い「高倍率面格子耐力壁」をいろいろな建物で利用しています。

高倍率面格子耐力壁の優位性

【高倍率面格子耐力壁】東京都練馬区石神井公園内へ移築した「旧内田家住宅」

【高倍率面格子耐力壁】新潟県新潟市「旧斉藤家 夏の別邸」
【支点桁構造】地域の森林から建物までの流れとともに、地域資源の木材を活かす建築構造を提案しています。岐阜県産材による支点桁構造を研究・開発し、森林-木材-構造-建物-人の繋がりが買い物になるような仕掛け作りをしています。
【支点桁構造】こどもたちによる保育園園舎で利用する木材を森林で伐採することを見学
【支点桁構造】支点桁構造による広い空間を構成する保育園の遊戯室
【講演等】これまでいろいろな場で木質構造に関するお話しをする機会を戴きました。岐阜県では、岐阜県林政部県産材流通課:岐阜県木造住宅アドバイザー(養成講座・スキルアップ講座)、岐阜県都市建築部建築指導課:被災建築物応急危険度判定士養成講習などがあります。その他、講師依頼を戴きました関係組織を以下に示します。美濃市/恵那市/岐阜県建築士会/愛知建築士会/島根県建築士会/福岡県建築士会/岐阜県木材協同組合連合会/岐阜県産直住宅協議会/岐阜県プレカット協議会/高津川流域活性化センター/MOKスクール大阪/近山スクール名古屋/ぎふ木造塾/しまね木造塾/信州木造塾/木塾/いわむらでんでんけん/住宅医スクール/日本建築センター/新・神戸の減災研究会 など。