2012年11月5日月曜日

京都美山で実習 1日目「シカの解体実習」 

京都美山に実習に行ってきました。

美山にはこれからの時代のあり方、社会を提案していくような素晴らしい
活動をされている方々がそれぞれの拠点で活動していらっしゃるからです。

1日目は、アウトドアスポーツ、自然観察、猟師体験など幅広いジャンルの体験
を提供している施設、「田歌舎」にお邪魔して「シカの解体体験」をしてきました。

私の知る限り、田歌舎さんほど、今問題になっている有害鳥獣駆除や狩猟で撃たれた動物を無駄にしてないところはないのではないでしょうか。

単なる獣肉の提供だけでなく、狩猟から解体まですべてを体験として行うことで教育的効果も含め、多次元的な利用を無駄なくされていると思います。

昼過ぎに到着後、まずは昼食。

メニューは、シカ肉のカツ&とれたてのキノコ&野菜&お漬物。
これ、ぜーんぶこの自然学校で作ったり獲ったり、採ったりしたものです。

おいしくいただいたあとは、いよいよシカの解体です。
まずは、前日と当日の朝獲ったばかりの(有害鳥獣駆除として)シカが水に沈めてある沢へ向かいました。

死んだシカを沢から引きずり上げ、そしてトラックで加工場に運ぶところからはじまります。

運びえるとシカをキレイに洗います。フンや内臓の匂いを肉につけると臭くなってしまうそうです。
「シカ肉は臭い!と言われたらおしまいですから」という言葉が印象的でした。

洗い終えたシカをぶら下げて、合計2頭、丸々解体させてもらいました。


これほど大きな動物の死体を目の当たりにするのも、そしてそれを肉にする作業も初めての体験に、学生たちもドキドキです。

ちなみに、我々が解体しているシカ肉はすでにとあるレストランからの買付オーダーがはいっているんだとか。 なので商品に傷をつけぬよう真剣です。

解体が終わる頃には、あたりはすっかり真っ暗になってました。
じっくりと気長にお付き合いいただいたスタッフのクラミツさん、ありがとうございました。

ちなみにこのクラミツさん、年間200頭は解体しているんだとか。
普通に話をしてくれているのですが、彼の、一言一言の言葉の重みや説得力は、まさしくホンモノでした。
ちなみに、翌日は早朝からラフティングのガイドするそうです!?
からこれまた田歌舎の底力を見せつけられました。

夕食は、オーダーの入らなかった部位の一部をステーキにしてもらって食べました。ほんとうに、うまかったです。ほんとうに。

その肉は、ただうまいだけの肉ではありませんでした。いろんな意味でうまかったのです。

「今日、はじめて肉と生きものが、つながりました。今までは、ただ頭で、知ってるつもりでいました。」と学生。

文字にするとなんてことありませんが、やはりその背景には、毛皮をつけた大きな野生動物を自分の手で肉にしていった今日の体験をしてはじめて出てくるような、そんな素敵な一言でした。

夜は、この素晴らしい体験を提供している田歌舎の代表、藤原さんに忙しい中、じっくりとお付き合いいただき、学生達にいろんなお話をしていただきました。

なんとも贅沢な1日でした。そして、いただきました。
 


2日目の報告もお楽しみに!

自然体験活動・インタープリター養成コース
講師 萩原 ナバ 裕作