2012年11月2日金曜日

スギ若齢林で間伐木の選木

 クリエーター科林業再生講座の2年生が、「森林施業演習」でスギ若齢人工林の施業を考えました。実習地は、山県市で林業を営む中原さんの山林。なかなか接することがない若い(約15年生)人工林で実習することに恵まれたのです。

 人工林の齢級分布のピークが林齢40~50年になっており、これらを対象とした間伐こそが今の林業であるがごとく取り扱われることが多い昨今ですが、若齢時にどんな管理をするかはとても重要な問題です。ここのところをおろそかにしてきたのが、今の人工林問題(いろいろとあるんですが)の元凶の一つであるとも言えます。


 実習のお題は、「枝打ち」と「保育間伐」。これらをどう組み合わせるのか、育林効果の観点と作業コストの観点から考えます。もちろん枝打ちも保育間伐も、将来のための投資といえる重要な作業です。しかし、無駄な手間がかかるとすると、その部分は不要なコストになります。こうしたことを考えながら、作業の順序や間伐強度を検討します。

 この林分は、過去に裾枝打ちが行われています。現在、下枝がかなり触れ合い、枝が枯れ上がり始めている状態です。枝打ちをすれば樹冠同士の触れ合い状態が緩和されるので、もう少し先に間伐すればよいという考え方があります。一方で、間伐が伐り捨てになるので、間伐木まで枝を打つのは無駄だから、先に間伐をして保残木の枝を打てばよいという考え方もあります。両者を試してみることにしました。また、間伐強度に関しても、2とおりの強度が出ました。これも、試すことにしました。

 林分(約1.3ha)を3つに区分し、間伐区(2区)で間伐木の選木をしました。小さなプロットではなく、事業規模での選木です。いろいろと悩みながら選木をしていきます。


 
 山林所有者の中原さんからは、森林経営のことから林業に関わる心構えまで、いろんな話しを聞かせていただきました。









 またとない実習の機会と実習場所を提供いただきました中原さん、ありがとうございます。


  by 横井秀一