2013年6月13日木曜日

森づくり実習 「広葉樹林を育てるのは難しい!」



エンジニア科1年生の森づくり実習で、高山市荘川にある、岐阜県森林研究所の広葉樹試験林に行ってきました。

最近は全国各地で広葉樹の植林活動が多く行われていますが、この試験地では、130年前に天然林が伐採された後自然更新が進み、その後1985年に広葉樹の造林試験が始まり、現在も継続中です。

 まずは、いつものように、ストレッチから始めます。



午前中は、横井先生の案内と解説を受けながら、試験林の見学です。

カツラの人工林
  主な用途、見分け方、特徴等の説明にメモを取る学生たち。



  ケヤキの人工林
   
  

クリの人工林
   


試験林なので、樹齢や 今までの施業の記録を正確に知ることができます。
植えられた広葉樹の中に、自然に生えて成長した広葉樹が混在しています。
ホウノキやミズメ(ヨグソミネバリ)等が目立ちます。


3種の試験林の中では、クリの成長が最も良いようですが、その理由を横井先生から問われ、学生たちは??? 。

 広葉樹はスギヒノキ等の針葉樹に比べて、個性が強く適地性が狭いため、条件が合わないと成長不良になりやすい。 この場所は、ケヤキやカツラよりもクリの適地であったことが分かり、皆納得したようです。

天然林エリアに移ると、ぐんと木のサイズが大きくなりました。
樹種はほとんどがミズナラです。




樹齢は130年生。 途中で使用価値の低い木を対象にした除伐も行われたようです。
林内に自生するホオノキの幹に こんなサインが見られました。 ツキノワグマの爪跡です。

 



またここで横井クエスチョンです。
「同じ樹種で同じ樹高なのに、幹が細い木と太い木があるが、なぜだと思うか?」

またまた難しい問いに学生は再び???
「横井先生、ヒント出してよー!」

「よく見較べて、見た目で何が違うか?」

「太い木は枝張りが広いです!だから葉量も多く栄養状態が良いはず。」
「細い木は枝分かれが少ないし、枝張りも狭い」
「太い木は低い高さから何本も枝分かれしています」



この観察眼には、横井先生も「なかなかやるな!」とばかり、眼を細めていました。

広葉樹は枝を張らないと太れない。かと言って木材としてはまっすぐな材を長い寸法でとりたい。
はじめは密植でよいが、樹高が5Mを超えたら徐々に枝を張らせたい。 間伐も必要だが、開けすぎると休眠芽が覚醒して後生枝が出てしまい、材の価値を下げるから、注意しなければならない。
広葉樹の人工林成功例が少ないのは、樹種ごとに個性が強く、適地性が狭く、効果的な施業の判断が難しいからとのこと。 君たちには、その技術と知識を合わせ持つユーティリティーな現場技術者になって欲しい。という熱いメッセージでしめられました。

かなり専門的な解説でしたが、丁寧に説明してくれたので皆理解できたと思います。
横井先生ご苦労様でした。

午後は、いよいよ施業の実習です
カツラ人工林の間伐をしました。選木は研究所の方がされていたので、伐倒と計測、枝払い玉切り
の実習です。

雪起こしや道づくりの実習で、細い木の伐倒は経験済みとはいえ、樹高も7~8Mあるため油断はできません。基本手順通りに、安全確認しながらの作業です。 




かかり木になる確率が高いので、安全確実に倒せるよう、幹にロープをかけておきます。
伐倒方向を決め、受け口をつくります。




次に反対方向から追い口を切り込み、ツルを残して退避です。



 ロープを引いて伐倒し、記録のため
に樹高と直径を計測します。 最後に枝払い、玉きりして終了です。


次回は下刈実習です。 体には一番辛い作業になりますが、蒸し暑さやヒル、蜂に負けず頑張りましょう!

                     以上、原島でした。