2013年9月17日火曜日

じ、じつは「ムササビ」いるんです。。 


アカデミーの演習林に、フクロウやムササビが暮らしているのをご存知ですか?


地元、美濃市の子供たちの大半は(というより大人も)そのことを知りません。

子供たちに地域の豊かな自然に気づき、驚き、感動し、そして
誇りをもってもらいたい。

そんな思いから、アカデミーの演習林にそうした自然体験ができるゾーンを創ろうとしています。そのうちのひとつとして今、ムササビやフクロウの巣箱を設置しようと検討中です。

そんな中、ムササビの巣箱作りの講習会が開催されるとの情報を聞き、これは!と思い、学生と一緒に行ってきました。以下、参加した学生のコメントをご紹介します。


*****(以下学生コメント)*******

先週の土曜日、ナバさんと共に愛知県豊田市にあるトヨタの森 里山学習館エコの森ハウス(以下トヨタの森)で開催された「ムササビプロジェクト(巣箱づくり)」に参加してきました。

まず初めに「なぜ巣箱?」「巣箱のメリットとデメリット」などについて考えるレクチャーがありました。
よかれと思ってすぐ巣箱をつくりそうなものですが、実は巣箱を置くことのデメリットがあることに気づき、大変参考になりました。


その後インタープリターと一緒に森の中へ。実際に設置してある巣箱を観察したり、ムササビの暮らす森の観察をしました。プロジェクト発起人であるヒゲさんこと杉山さんのフィールドでの長年の観察や経験に基づくインタープリテーションや、フクロウの巣箱に残ったペリットの解析の話や鳥類それぞれの生態に合った巣箱の話など、大変参考になりました。


森から戻り、ムササビのことを想像しながら、一枚の板から巣箱を作ったあとは、みんなで夕食です。

何でも創ってしまうヒゲさんお手製の石釜で焼いた焼き豚を入れたマフィンサンド(通称、ムササビサンド)に冬瓜汁と、これが本当においしかったです。トヨタの森のインタープリターの皆さんのホスピタリティーに感激です。



巣箱も作り、お食事も頂き、ここまででも大満足ですが夜はムササビの観察会。カメラでムササビが居ることを確認していた巣箱の近くへ行ってみんなで静かに待ちます。段々と暗くなる中、巣箱をじーっとみていると巣箱の後ろを飛ぶ影が!何と他のムササビが飛んできたのです。その後、巣箱のムササビも出てきて、鳴き声まで聞くことができました。

そして全体で振りかえり。参加者全員が簡単な感想を述べ終了。


日本の野生動物はほとんどが森林性で、彼らは人間とはあまり接することなく(接したくない)生きている為、多くの人は普段野生動物に接する機会が少ないと思います。

しかし、巣箱を掛けることで巣箱を利用する動物を可視化できます。トヨタの森は国道を少し入ったところで都市部に近い環境です。「こんな身近にムササビがいるんだ」と参加者の方の感想でもありました。



自然と人の距離が離れてしまって、里山が減少している今、こうしたイベントを通して日本の自然環境が見直されるきっかけになっていくといいと思います。私もインタープリターを目指す者として、野生動物や自然を敢えて「見せる」ことで自然の豊かさや多様性に少しでも多くの人に気づいてもらいたいと思っています。
それにしても本当に楽しい一日でした。トヨタの森の皆様、ありがとうございました。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
1年 豊吉 暁詩 文

同コース なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕