2013年9月3日火曜日

現地・現物・現実 トヨタ式は「改善手法」ではなく、「経営哲学」 施業プランナー上級研修 第2回開催

最終の目標は『常にあるべき姿を目指し、たゆまず「改善」し続けていく人間集団を造る事にある』現地・現物・現実



 施業プランナー上級研修の2回目、今回は高山市の現場と講義です.

午前中は高山市の朝日支所で「生産管理についての復習」

 1.CSとは何か・・・・Customer Satisfaction・・・・常にお客様目線で
 2.QCDSとは・・・・生産と言うことでは、自動車でも食品でも、木材でも同じはず
 3.プロダツツアウトからマーケットインへの転換
 4,JITとは・・・・ジャスト イン タイム・・・必要なときに、必要なモノを、必要なだけ
 5.PDCAとは、管理のサイクルをどのように回すのか
 6.管理する上では、5why2S(整理 整頓)、IE(Industrial Engineering)の考え



 豊田佐吉さんが動力織機織機化 → 自分で働く機械「自働化
 大野耐一さんがアメリカのスーパーマーケットで、商品が棚から少なくなったところから補充する
物流を見て、Just in Time を考えつく。
        必要なモノを、必要なときに、必要な量だけ造る・買う・運ぶ

トヨタ生産方式は「改善手法」ではなく、「経営哲学」である。


 さて、午後からは高山市内の現場です。
ここでは5人の作業員構成で、機械類4台が常に動いています。
3台の機械は、建設機械をベースマシンとしたプロセッサ1台、グラップル2台、これらは現場で
ヘッドがバックホウ、グラップル、プロセッサに常時取り替え可能となっています。
 あと一台はフォワーダ、そして最後の一人がチェンソーによる伐採です。


 この林業事業体は自前で作業路もつけていますので、間伐や収穫も念頭においた線形を設定
し、路線開設時の支障木も収穫しやすいように配置してあります。

 林内でチェンソー伐倒している作業者は、間伐木を選定し定性間伐しますが、伐倒した原木が
一直線に並んでプロセッサがつかみやすいように、樹冠が同じような場所に来るようにクサビを
使って丁寧に伐採しています。元口30cm以上の立木ですが、丁寧な伐採の割には大変早い。



 上の写真の中の人(青色の服)は、フォワーダに乗車している人で、運搬しない時間はプロセッサ
が造材した原木を検尺して、少しでも高く販売できるよう木口面の切り直しなどして、木口面に直径
を明記します。
 各自の動きに無駄が無く、今何をすべきかが分かっている。

 それをグラップルがフォワーダに積み込んで、フォワーダが移動した土場で、再度径級毎に直送
できるように、別の場所でグラップルで仕分けしています。


 上の写真のように、フォワーダの原木の木口面には直径が表示されています。

 さて、今回の現場、飛騨地区では最も生産能力の高い林業事業体の一つです。この事業体の
作業される方々の作業効率から、自分たちは何をすれば無駄が省けるのか、を自分自身で考え
て欲しいのです。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。