まずは、工房で日本や岐阜の森林率のお話など基本的な内容のおさらいから始まりました。みんな1年前に学んだ内容でも覚えきれていないことが多々ある様子。再度、認識を改め森や木のことを考えることが出来ました。
その後、モノをつくる際の素材の選ぶ理由などについて教えてもらいました。機能、加工コスト、入手のしやすさなど複合的な理由で選んでいるようです。
ものづくり講座の木材ストックヤードでは、木の㎥単価や木材の乾燥について教えてもらいました。木製のモノをつくる際、木材の乾燥具合によって加工手法や加工のしやすさが大きく左右されるため、含水率(木の水分含有率)などの調子を見ながら製品の作成にとりかかるようです。
その後、再度工房に戻り木材の加工(木材の長さ決めと幅決め)の様子を見せてもらいました。
荒木取り(大まかに材の長さを決める作業)から本木取り(正確な寸法を出す作業)、矩出し(材の垂直を出す作業)までの工程を実演してくれました。
実演してくれたM君。同講座のやさしい(きびしい?)眼差しの中、やや緊張気味の様子。
緊張していても流石はものづくり講座、キレイな仕上がりです。製材された木材は幾つもの工程を経てできていることが分かりました。
次は、木材の伸縮について教えてもらいました。
木材が反るメカニズムを教わった後、実際に木の反りによって変形してしまった製品を見に行きました。
できた当初はキレイな製品でも、反りへの対応を考慮できていないとその後の材の反りによって変形が生じてしまうようです。材の変形をよむ能力も木のものづくりに要するスキルなのだと改めて感じました。
昼からは実際に木材の加工に挑戦!午前中の最後は、小皿を削る際の注意をふまえた木の加工のレクチャーです。
木の繊維方向と材の裏表によって、削りやすい方向を見極めます。また、削る面によってどんな模様ができるのか予測をたてながら試し彫りを行いました。
実際に数種類の材で削りやすさの違いなどを試してみました。硬い木、柔かい木、いい匂いのする木、いろんな違いを感じながら削ってみました。
盛り沢山な午前のプログラムを終え、昼の間に各自で小皿のデザインと好きな木を選びました。
いざ小皿作成にとりかかります。
実際に作業に入ると、どんどん作業にのめり込んでしまいました。削りやすい方向や角度が徐々に感覚として分かってくると更に楽しくなってきます。ものづくりの醍醐味はこういうところではないでしょうか。
作っていく中で1mm以下の違いでも気になってきます。ものづくり講座のサポートを受け、各自理想のデザインを目指します。
時間内の完成はほとんどのメンバーがたどり着けませんでしたが、授業後も残って作業を続けました。後日の完成が楽しみです。
かなり盛り沢山なスケジュールで、木材のこと、その加工に関することを学び、体験することのできた1日でした。企画してくれたものづくり講座のみんな、ありがとう!お疲れ様でした!
木と森のクリエーター科2年
木造建築講座
山崎哲史