2013年10月20日日曜日

「馬瀬里山ミュージアム」づくりの住民集会を進めています


下呂市馬瀬地域(旧馬瀬村)の里山景観を保全しながら、そこで営まれてきた生業や暮らしの文化を交流学習や観光事業に活用しようという「馬瀬里山ミュージアム」づくりの調査実習と「住民集会」による検討を進めています。

今回、モデル地区としてフォーカスを当てたのは馬瀬南部のN地区。ここは温泉宿泊施設、道の駅、馬瀬川体験の拠点施設などがあり外来者が多いエリアです。しかし、それらの拠点を訪れて景色や自然を楽しむ観光客も、その景色や川の豊かさがどのような努力によって維持管理されてきたのかは、なかなか意識してくれません。「里山ミュージアム」はまさに里山の営みを知ってもらい、その面白さや楽しさを体験してもらうことを目的にしています。そしてその仕組みづくりには、住民の参画が欠かせません。



2013年前期に、馬瀬の「森林づくり基礎調査」として、里山景観の基礎を形作っている森林植生の現状を調べ、将来像を検討してきましたが、後期の9月からは、それらの里山環境にかかわる生活や生業の歴史、住民と自然との具体的な関わりをお聞きすることで、「里山ミュージアム」の資料(記憶や生活技術)を収集活用しようとしています。これは「エコミュージアム」の活動そのものとも言えます。

9月30日に、N地区で初めての住民集会「里山ミュージアムって何だ?」を行ないました。最初に「馬瀬地方自然公園づくり委員会」のK会長から里山ミュージアムの目的について説明があり、続いて森林文化アカデミー2年生のAさんから「エコミュージアム」の考え方にもとづいた活動の進め方や、今年度の目標について説明を行いました。約20名の地区住民の皆さんは、真剣に説明に聞き入り、その後も環境保全と地域活性化の関係について、かなり突っ込んだ質疑が交わされました。



10月18日には、第2回の住民集会として、NACS-Jの「人と自然のふれあいマップ」を手本とした「里山ふれあいマップ」づくりの作業として、N地区の女性グループと男性グループの2回に分けて、聞き取りワークショップを行いました。女性グループには月例の茶話会「よろまいか」にお邪魔して、水を利用した野菜の洗い道具のこと、馬瀬川のサカナの呼び名のこと、伝統料理のことなどお話いただきました。


夜の男性グループには、やはり馬瀬川のアユ以外のアジメなどの伝統的な漁法のこと、子どもの頃のハチ採りのこと、山仕事の手伝いや食べられる植物のことなど、豊かな自然史のエピソードを沢山いただきました。



同行した教員の1人は植物生態学が専門。「こういう話こそが生物多様性を実感できる内容なんだよね。」と感想を語り、もう1人の私はエコミュージアムによる地域づくりが専門。まさに「記憶の収集」の現場であり、地域づくりの現場を支える「コミュニティ・ファシリテーション」の実習そのもののような一日でした。




記  山村づくり講座 教員 嵯峨創平

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