2013年10月30日水曜日

荘川で「広葉樹林施業」を学びました

林業再生の田中です。
本日(10/28)は横井先生の森林施業演習です。
クリエイター科林業再生講座2年生の授業で、様々な森林の施業を
考察したり実習したりします。
今回は、岐阜県高山市荘川町にある荘川広葉樹総合実験林に出かけました。
ここは広葉樹林施業を試験的に行っている場所です。
28年前に皆伐し、各種広葉樹を植栽したり、放置して何が更新されるのかを観察したり、
また、同じ条件でも下刈りをする場所としない場所を分けるなど、様々な試験をしています。
私たちは横井先生と見学をしながら「これまでどのような施業が行われてきた」のか、
結果から「何が考えられるのか」などを聞くことができました。
また、そこから自分たちが勉強してきた事と照らし合わせて考えたり質問したりしました。
カツラ人工林
クリ人工林
ケヤキ人工林
始めに見学したのは広葉樹人工林です。
車を止めた場所から斜面を登り、下から順番に見ていきました。
麓にはカツラ、斜面中部にはケヤキ、尾根付近にはクリが植栽されていました。
ここではケヤキの成長が悪く、クリは成長が良かったです。
その土地に適した樹種を選択しなければならない。そうしなければ期待した成長もしない。
横井先生のよく言っている「適地適木」を実感できました。 
次に皆伐後に放置した場所です。
皆伐をして放置した場合、どのように植生が変化するか試験している場所です。
当初は先駆種であるヌルデが優占していたようです。
その後ヌルデは減っていき、現在はミズキが優占樹種になっていました。
優占種が変化していく様子が観察されたようです。
 
次に120年生ミズナラ林です。
お題は「次の更新をどうするか?」でした。
下層はササに覆われており、ミズナラの稚樹もほとんど無い。
①ササの除去をすること、
②徐々に高木を収穫し、ギャップ(木と木の隙間)で光をコントロールする
など提案をしました。
まだ他にも考え方がありますが、これはこれで概ね合っていたようです。
完璧な正解はなく、どのようにすればリスクが回避できるか考える事が大切です。
本日学んだ広葉樹林施業のポイント
・適地適木
  適した場所に適した樹種を植えなければならない
・目標の明確化
  どんな樹種をどんな目的で生産したいのか明確にしなければならない
・育林の必要性
  目標に合わせた育林を考えて行わなければならない
・更新の考え方
  その土地の特性や樹木の特性を理解して計画しなければならない
 
広葉樹林施業を行うには、幅広い知識が必要だと痛感した授業でした。


クリエイター科2年 林業再生講座
田中 一徳