ものづくり講座には、「伝統工芸を学ぶ」という授業があります。今回は曲げわっぱに挑戦!
1年生の多和さんがレポートです。
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さる10月7、8日の2日間「伝統工芸に学ぶ」という授業で、飛騨春慶の伝統工芸士の西田恵一さんをお迎えして、ヒノキの曲げわっぱを制作しました。
「曲げわっぱ」とは、スギやヒノキなどの薄板を曲げて作られる円筒形の木箱のことで、一般的な製品としては漆などの塗装を施した弁当箱があります。
今回作る曲げわっぱは、円型と小判型(大・小)でいずれも弁当箱サイズの計3種類です。
まずは、予め木取りされた側板の両端(曲げた時の接合箇所)を鉋で斜めに削ぎ落とします。
「横ずり」という西田さんがいつもやっている方法を実演して頂きましたが、サクサクと軽快に且つリズミカルに削っていくのが印象的でした。
両端を削り終えたら、側板を熱湯にしばらく浸けて曲げやすくします。
3㎜以下の薄板ということもあって簡単に曲がります。曲げるところから治具で固定するところまで、リズムよくお腹を使って曲げるのがポイントです。
そして、固定した状態で一晩乾かします。
次に、サクラの樹皮から側板の接合に使う紐を作ります。サクラの樹皮は縦方向の引張りに強いためよく使われるそうです。やり方としては、まず樹皮を2枚に割いてから小刀で削ぎ落としていきます。薄く削いでいく時は、小刀は固定して樹皮のほうを引っ張って動かすとやり易いです。
ここまでで1日目が終了です!
2日目は加工した部材を組み立てていきます。
側板を輪にするための接着剤としてニカワを使用します。面白いのは、ニカワの速乾剤として劇物のホルマリンを端に少しだけ塗布したことです。ホルマリンにこんな使い道があるとは知りませんでした。
接着が乾いたらサクラの紐を縫っていきます。これは接合部の補強というよりは装飾の意味合いが強いそうで、各々好きなようにデザインしていきます。
最後の山場として、天板、底板を組み付けます。
板を型どおりに切り抜いて曲げた側板に嵌め込むだけなのですが、我々学生の腕が悪く側板の形が若干いびつだったりするので微妙な調整が結構大変でした。しかし、この山を何とか越えて完成です!!
伝統工芸士の西田さんを迎えて教えて頂き曲げわっぱを3個も作れるという、今考えると非常に贅沢な授業でした。漆を塗って弁当箱として使用する日が今から楽しみです。
クリエーター科 ものづくり講座 1年
多和