2013年10月7日月曜日

新潟視察報告

 
 

 
森林文化アカデミークリエーター科「山村づくり講座」では、岐阜県を中心とし、東海地域も視野に入れた、「U・Iターン」や「地域おこし協力隊」等で農山村地域にかかわろうとする人たちのサポートセンター機能を果たせるよう、準備を始めているところです。その一環として、同じ志を抱く有志を募り、新潟県で活動展開している市町村、NPO、地域を訪ね、先進的な事例を学んできました。

同行したのは、地域活動NPO職員、自然学校運営スタッフ、地域協力隊受入れ市町村職員(プライベート参加)、アカデミー山村づくり講座OB、アカデミー教員、の計7名です。
 

まずは、全国で最も多くの地域協力隊を受け入れてきた十日町市を訪ねました。
現在までに31名の受け入れ実績があるそうです。任期終了後の定着例も多く、その点でも受け入れ地域の模範として高く評価されています。行政担当課長さんと担当のKさんが丁寧に対応してくださいました。

 
お話の中で、たびたびお名前が出たTさんというIターン青年をご紹介いただき、訪問しました。廃校となった分校の払い下げを受け、一部を改修されて住まいと事務所にされていました。
Tさんは「地域おこし協力隊」として数年間勤務し、任期終了後も地域に残り、後輩となる協力隊員を受け入れ、NPO組織を立ち上げ地域活性活動を続けています。自給的農業や地域活性化事業を受託する他、国が認定する「地域サポート人アドバイザー」として全国で活躍中です。
 
 

 翌日は長岡市の「㈳中越防災安全推進機構復興デザインセンター」を訪ねました。
ここは、集落支援の草分け的な存在であり、2004年の中越大震災からの復興支援を目的に設立されました。復興支援活動だけにとどまらず、地域活動全般を支援する「集落支援員」や「地域おこし協力隊」の中間支援と、全国ネットワークの立ち上げ、さらにその組織的推進の中心的な役割を果たされており、地域おこし協力隊の初任者研修用に、独自の教育プログラムを開発し、国主催の研修会を受託する等、人材育成のノウハウも高く評価されています。

 
お話の中で、「一つとして同じ地域はないので、基本は一緒でも、そこから先は人間性と思いの強さ、熱さが必要です。サポート側の姿勢は彼らのまじめで純粋なこころ、現状を変えたいという意欲、そして新たな世代ならではの感性にゆだねることです。」「むしろ現場視線に立った、行政支援の仕組みの見直しや、受け入れ側地域の意識転換をどうフォローしてゆけるかが重要です。」という話に、大いに納得しました。山村づくり講座が考えている地域人サポートセンターに求められる機能や果たすべき役割の具体的イメージをつかむことができたように思います。

 
その後、被災地である山古志村の農家レストランで昼食をいただきました。平日でしたが内外のお客さんでにぎわっており、地域の野菜や自然の幸を工夫されて彩もよく、とてもおいしくいただきました。特にご飯のうまさは格別で3杯おかわりした人も・・・。
 
 
 
ボランティアガイドさんに村内を詳しくご案内いただきました。震災の爪痕もまだあちこちに残っていましたが、復興後の地域の人々の意識変化のお話等、たいへん勉強になりました。
 
 
 
3日目は村上市のNPO()()沙羅(さら)パートナーズセンター」を訪ねました。
 
ここは、かつて岩船郡広域を対象とした県の総合型補助金で運営されていましたが、補助事業の終了後は、独自財源で運営を始められ、地域活性起業支援の公開プローザル等、ユニークな手法で実績を上げておられました。今は、商工分野からの仕事が多いようです。ソーシャルビジネスの先駆例として、たいへん勉強になりました。
我々の視点としては、地域サポーターが都市部とのネットワークを活かし、ビジネス展開する際の具体的イメージが描けたような気がしました。

 
 
昼食は、高根地区に移動し、地域の住民組織が経営する廃校利用の農家レストランで地域名産の蕎麦定食をおいしくいただきました。
 


こちらもまた風情のあるロケーションで、木造校舎は懐かしさにあふれていました。また、この高根地域は、広大な共有林を所有、経営しており、その規模だけでも驚きでした。その収益で立派な公民館を建設し、広域合併後も、地域住民の便益を測るために職員を雇用していること等、今でも地域内にそういった活動や事業が少なからずあり、従来型コミュニティービジネスの実例としてたいへん共感できるものでした。また、地域の自治の姿がごく普通に感じ取れたことは驚きでした。こういう地域こそ、時代の流れに負けず、自然体であり続けてほしいと願うばかりです。
 
最後に訪ねたのは、海辺にある山北町の「さんぽく体験企業組合」です。
 
代表理事のKさんにお話を伺いました。Kさんは村上市観光協会の副会長も勤められています。非常に多くの地域生活体験イベントを用意されていて、その数に驚きました。お話によると、名人級の技を持つお年寄りが多くいるので、指導者には事欠かないのだそうです。なんとうらやましいことでしょう。


今でもおいしい赤かぶ漬けを作るために焼畑をしていると聞き、本当に驚きました。
秘境として有名な宮崎県の椎葉村ですら、もうほとんど見られなくなったというのに、なんと新潟のではしょっちゅう焼畑がみられるようです。イベント参加も可能とのことです。Kさんは都会からのアクセスの悪さが問題だと言っておられましたが、「山あり海あり里あり」アクセス以外の条件はすべてそろった素敵な地域だなーというのが実感です。


 
以上、盛り沢山の視察でした。
                       報告 山村づくり教員 原島幹典

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