2013年12月1日日曜日

ヒノキのテーブルづくりに挑戦中!

タイトルを見れば、ものづくり講座の授業かと思われるかもしれませんが、今回はエンジニア科の授業の紹介です。

普段林業を学んでいるエンジニア科の学生も、林業だけでなく幅広く木の良さを実感し、木材を利用する側のことも理解できる林業作業者になってもらいたいという願いのもと、「森林利用総合演習」という授業が用意されています。その中で、私が担当している木工の授業では、地元のヒノキを使った小さなテーブル作りをしています。

今回授業を始めるにあたって考えたことは、将来彼らが関わる山、樹、そして木材が本当に地元の人に届いているのかということを考えるきっかけになること、そして、少しでもその木材を活かす術を学んでもらうことです。


そのため、授業の最初に、みんなで通常一般の人が木を買いにくるホームセンターにどんな木材が売られているのかを見学に行きました。そこでは海外から輸入された木材が多く並んでいます。一部国産もありましたが、その品質と価格のバランスはどうなんでしょう?では地元の木材はどこにあるのか?ということで関市洞戸にある製材屋桑原木材さんにお邪魔しました。桑原木材さんは建築用材を製材する一方端材などを道の駅などで「もったいない材」として販売し、すこしでも地元の木材が一般の人に届けられるよう取り組まれています。どこから材料が来て、どのように加工して、そしてどこへ販売しているのか、なぜもったいない材という取り組みを始めたのかなど聞かせてもらいました。そして、最後に、今回のテーブルの材料となるヒノキを各自購入させてもらいました。10月のはじめのことなのでもう2か月も前のことですね。

さぁ、それから木工の始まりです。

どの材料をどのパーツとして使うか、その適材適所の考え方から材料の見方、モノができるまでの工程など一つ一つ確認しながら作業を進めていきます。もちろん専用の木工機械がないとできない加工は出てくるのですが、可能な限り電動工具を使い、卒業後もその知識が生かせるように配慮しています。






3枚の板を接着して1枚の天板にして、脚や幕板となる部材をカンナやトリマーなどで成形加工し、その後ひたすらサンディングですべすべのなめらかな手触りに仕上げます。そして組立てですが、ここまで来ると学生らもそれまでの苦労が形に表れるので、とても楽しそうです。組みあがった脚部に天板を乗せると、もうテーブルになります。 あとは、塗装を施し、しっかりテーブルを取り付ければ完成になります。あともう一息ですね。





ひとつのものを作り上げる苦労も合わせて体験し、自然とモノを大事にする気持ちも芽生えてくれるとうれしいです。中には「○○で使いたいから」や「彼女の為に」と特別仕様にしたりする学生もいます。自然と制作にも熱が入ります。そういう気持ちって大事ですよね。

完成したらまた報告したいと思います。

和田賢治