2014年2月24日月曜日

25年度 岐阜県 施業プランナー研修終了 ~事業実績発表会~

 岐阜県主催の平成25年度森林施業プランナー研修(育成研修・上級研修・技術維持研修)
すべてが終了し、このたび新たに17名の施業プランナーが10ヶ月間にわたる研修を終え、修了証
を手にされました。
 
 

 この日は最終の事業実績発表会。
発表会には会社の上司、同僚、県庁森林整備課、森林文化アカデミー副学長、森林研究所や
森林文化アカデミーの講師陣など約50人の専門家の前で実績発表です。

 開会に先立って、県庁森林整備課の高井森林経営対策監から、「施業プランナー活躍への期
待」についてお言葉ありました。


1番手は岐阜中央森林組合の栗田さん
山県市で98.75haの集約地について、目標林型(直径30cm、500本/ha)の主伐までに2回利用
間伐する計画を発表。
 
 作業システムの基本はチェンソー、グラップル、ユニックのシステム。

 2番手、株式会社美山林業の松原さん
 山県市日永のスギ・ヒノキ人工林10~12齢級を将来、柱取りを念頭に中層間伐して、大径材を
目指すプランが提案された。
 
 
 作業システムの基本はチェンソー、ウインチ付グラップル、ユニック付トラックのシステム。



 3番手は西南濃森林組合の市原さん
 不破郡垂井町のスギ。ヒノキ人工林29.7ha、7~9齢級の林分を四寸柱取りを目指して施業し、
800本/haで管理した後、主伐する計画を発表。



 4番手は揖斐郡森林組合の後藤さん
 揖斐川町谷汲の114haの集約地で、100年生の見本となる目標林型を示し、当初は劣勢木中心
の間伐。システムはタワーヤーダとラジキャリ併用、そして作業路開設による車両系搬出。


 後藤さんはスマートフォンの活用もうまく。
特別なGPSでなく、スマホによる位置情報やデータ管理も駆使しています。


 5番手は西濃建設株式会社の山口さん
 
 揖斐川町春日のスギ・でヒノキ林で、31.10haを中心とした集約地のうち、13.07haの社有林で
3.7haの搬出間伐と切り捨て間伐について発表しました。


 6番手は郡上森林組合の木島さん
 郡上市大和町で「水源地域における森林整備」を実施。
利用間伐しながら、下層植生の侵入を促し、水源保護に注意した森林整備と作業路開設を予定。


 7番手は岐阜県森林公社の柚村さん
郡上市美並町の分収契約地41.3haについて、
 ヒノキの目標林型を胸高直径38cm、樹高27m、300~400本/haにし、契約者の人たちに少しでも
有利な木材生産を提案できるよう努力しました。



 8番手は可茂森林組合の佐藤さん
七宗町の340haの集約団地で、ヒノキ154haに目標林型200本/ha、胸高直径46cm、樹高29mを
定めて、「100年の森林づくり施業指針」のもと路網整備と森林整備を推進しました。



 9番手は有限会社ヤマエス日比野林業の日比野さん
 瑞浪市土岐町の38.2haの集約地を列状と定性を組み合わせた間伐を実施。一部、枝打ち林では
2玉造材を目指して、皆伐を計画。


 10番手は株式会社館林林業の館林さん
 自社所有山林の木材を、自社製材するだけでなく、山林の有効利用としてのソーラーパネルの
設置などについても実践されています。


 11番手は加子母森林組合の熊沢さん
 岐阜県内では珍しく地積調査が完了しており、所有界境は問題なし。
山の斜面傾斜が35度以上とか林道から200m以上離れた林については、環境林として整備する。
目標林型の中には二段林も組み込んで、材積維持50%を目標に上木間伐しながら二段林を目指
す。


 12番手は恵南森林組合の長谷川さん
森林経営について「公共性、平等性、透明性、持続性」をモットーに、ヒノキ林に平均胸高直径
22cm、550本/haの目標林型を定めて、チェンソー、グラップル、プロセッサ、ダンプトラックの
作業システムを提案。


 13番手は南ひだ森林組合の丹羽さん
下呂市萩原町羽根の集約団地346.7haの森林について施業するため、同じ下呂市内で90年生ヒノ
キ人工林を目標林型に定めて、優良材生産を進める計画。少しでも有利販売につながるよう
採材にも工夫をする。


 14番手は飛騨高山森林組合の松葉さん
 高山市丹生川町で、目標林型をスギ胸高直径38~40cm、ヒノキ胸高直径30~32cm、カラマツ
胸高直径40~45cmとし、作業路開設をしながら搬出間伐を目指す。
 山は価値ある財産と思ってもらえるように仕事をしたいとの意気込みも良い。


 15番手は飛騨市森林組合の西川さん
 飛騨市河合町で、スギ人工林(胸高直径24cm、樹高20m、1,300本/ha)と広葉樹天然林(胸高直径22cm、樹高14m、1,200本/ha)の林分を整備。
 スギ人工林は定性間伐で搬出を実施、広葉樹林は70年生広葉樹を主に更新伐を実施する計
画。


 16番手は大山土木株式会社の稲葉さん
 高山市朝日町のスギ・ヒノキ・カラマツ林で、特にヒノキについては80年生で胸高直径30cm、樹
高26m、400本/haの目標林型を定めて森林整備。
 スギ、カラマツについては作業路を開設して、近場をウインチ集材。


 17番手はH・C建設の上野さん
 飛騨市塩屋でスギ人工林を主体に対応、胸高直径40cm、樹高34m、500本/haの目標林型を
定めて、5~10年間隔で目標林型に近づける間伐を実施、労働生産性は5.0 m3/人日、素材生産
費は9,500円/m3と見込む。

 一日掛けて、17人の全発表が終了。
講師を務めた杉本先生、横井先生、県庁森林整備課の高井対策監から、全体に対する講評。
 杉本先生からは「例年よりレベルの高い」評価、横井先生からは「目標林型をしっかり捉えて良
い」との評価、高井対策監からは「ますます施業プランナーに期待する」との評価。

 最後に、岐阜県立森林文化アカデミーの桂川副学長から、施業プランナー研修修了証の授与。
10ヶ月間にわたる大変な研修の締めくくりです。

 さて、みなさん。これから一層大変な仕事になると思いますが、今回研修で得た知識と、仲間、
そして講師陣をフル活用すれば、今後の森林整備に盤石の体制が出来るのではないですか。
 一人で悩み苦しむのではなく、仲間や知り得たコネクションをフル活用して、今後は仕事に向
かって下さい。 ご苦労様でした。 17名の皆さん、次回は技術維持研修だね。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。