エンジニア科2年生 林業ITで森林GISの一端を学ぶ
エンジニア科2年生が森林GISについて学ぶ、「林業IT」の授業が本日から始まりました。
メイン講師は岐阜県森林組合連合会の顧問もつとめる中島義雄先生。そしてJIRIがサポート。
最初に「IT」とは何か? 「ICT(Information and Communication Technology)」は日本語で、「情報
通信技術」と言い、この「Communication」が重要ですよね。から始まり、GISについての説明を受け
ました。
GISの本論に入る前に、昔の地図を見る。
この地図は第一次世界大戦時に作成された図面で、戦車が侵攻する場合に、A・B・Cのどこを
通れば良いか、どこを通ると不利かを考えます?
前の図面に記された記号はそれぞれ、意味があり「乾田」、「水田」、「沼田」が記されていた。
つまり戦車がぬかるみで侵攻できないコースを見極めるため、昔の地図には「水田」を3種類
に分類していたことが判ります。
これもアナログ的な情報として重要。
次の地図記号は、広葉樹と針葉樹です。現在樹木は2種類しか表記がありませんが、昔はナラ
とかクヌギとか。スギやマツ、伐採林などの表記にまで及んでいました。
それほど樹種の違いが価値があった時代がありました。
さて、ほとんどの学生がスマホやアイフォンを利用しており、Google Mapなどの操作は簡単に
出来るのですが、自分たちが重要なGISデータを管理するような技術は持っていません。
そこで、初級編から実践です。
国土地理院のGISや岐阜県域統合型GIS、シームレス地質図、Google earthなどを体験です。
国土地理院のGISでは、もしも水位が10m上がったどのようになるのか見てみました。
岐阜県内の地図では、勾配10%程度で作業道の線形を描き、線形のシミュレーションや伐採幅
、収穫予測などの可能性を学びました。
最後にArc GISを起動させ、そこに森林簿データや地形図、航空写真をレイヤーとして重ね
データの修正や表示方法を学びました。
さて、エンジニア科の学生にとって初めてのGISに関する授業。
人によっては優しく、人によっては難解なGISですが、誰もがその便利さには気づけました。
今後はGPSデータや測量の実測データを組み込んで、仕事で利用できるレベルまで学びます。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。