森林公共政策の第5回目、今回は
1.岐阜県の移住・定住対策(清流の国づくり政策課 田中係長)
2.岐阜県森林研究所の取り組み(森林研究所 古川部長研究員)
3.岐阜県の地場産業・伝統的工芸品の現状と振興施策について(地場産業課 河合主任)
4.市町村の森林・林業行政の役割と課題(高山市農政部林務課 藤下課長)
最初に「地域の将来を支える人を呼び込む」と題して、岐阜県の移住・定住対策について
田中係長さんに講義を受けました。
岐阜県は転出超過にあり、その中心は20~30代の若者。特に職業上の転出が多いのが問題。
そこで、岐阜県では様々な支援体制に取り組んでおり、郡上市や飛騨市、揖斐川町などの事例
を紹介。
地域おこし協力隊の現状や、各市町村のユニークな施策についても紹介。
続いて、森林研究所の古川部長に、岐阜県の森林・林業研究についてお話し頂きました。
12名の研究員が広葉樹林化技術の実践的体系化、県木イチイの資源量把握と効率的な更新
方法の検討、森林の水土保全機能を高める森林施業手法の開発、低コスト再造林のための育苗
・植栽・初期保育技術の開発、ナラ枯れ被害木のバイオマス利用、ニホンジカの適正な個体数管
理に向けた誘因方法に関する研究、高品質菌床シイタケの安定生産技術の開発など、様々な
研究内容について説明。
さて、午後からは地場産業課の河合さん、河合さんは美濃市役所からの出向職員さんとのこと。
岐阜県の7代地場産業、地場産業を取り巻く環境の変化と課題について解説。・・・どの産業も
かなり厳しい状況。
続いて岐阜県の伝統的工芸品(全国215品目中、岐阜県は5品目:飛騨春慶、一位一刀彫、
美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯)、伝統的工芸品が直面する課題(需要の低迷、量産が出来ない、
人材・後継者不足、生産基盤の減衰、産地の知名度不足)。
岐阜県の郷土工芸品(45品目)、岐阜県の地場産業支援施策について、詳しく説明して頂き
ました。
最後に、高山市役所の藤下課長さん。
法制度上の市町村の役割について、森林・林業政策の地方分権、市町村への権限委譲事務、
市町村森林整備計画についてお話し頂いた後、高山市の行政について説明。
日本一の森林都市、日本一大きな市、森林組合の役割が大きく、木工・家具産業が盛ん、観光
都市として年間400万人の観光客を集客。
高山市の予算450億円のうち、林務課は4億8000万円の予算。
高山市は年間1500~2000haの森林を間伐しているが、そのうち小規模な間伐に対して市独自で
100ha以上の間伐に補助を実施している。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。