本日(6/7)は生涯学習講座の岐阜県の植生帯を体感するの第二回「森を知る〜カシの森とマキの森を訪ねる〜」を実施しました。前回からに引き続き,21名の方に参加していただきました。
前回の初回講座では樹木の見分ける際のポイントと,図鑑を使った植物の見分け方について学びました。それらを踏まえた上で,今回は岐阜県の暖温帯の照葉樹林と暖温帯上部(中間温帯)の落葉樹と針葉樹の林を歩き,生育する植物について学びました。
まずは室内で簡単に岐阜県の植生帯の分布について解説した後,美濃市の鶴形山に移動しました。ここは県内で常緑広葉樹がまとまって生育している林のほぼ北限にあたります。神社の裏山ということで,人の手があまり加えられること無く維持されてきた林であるため,ここにはカシ類を初めとした極相種が多く生育しています。カシ類ではアラカシとシラカシ,ウラジロガシ,ツクバネガシ,イチイガシの5種類を見ることができます。その他にも大きなツブラジイやクスノキ,タブノキ,ムクロジ,ハゼノキなども見所です。午前中かけて山を歩き,樹種の見分け方や生態,利用方法等について解説を行いました。
その後,瓢ヶ岳に移動し,昼食をとってから暖温帯上部の林を歩きました。ここでは豊富なカエデ類や混交したり岩場で優占する針葉樹が見所です。カエデではウリハダカエデやウリカエデ,オオモミジ,コミネカエデ,コハウチワカエデ,ヒナウチワカエデ,チドリノキ,ウラゲエンコウカエデ,ヒトツバカエデ,イロハモミジ(これのみ駐車場に植栽された個体)を見ることができました。岩場ではツガやコウヤマキ,ヒノキ,モミなどの針葉樹や岩場に特有のヤマグルマなどを見ることができました。色々な樹種を見ることができて良い林だったのですが,道が急であったために参加者に負担をかけてしまったのが反省点です。
下山後,駐車所湯で二つの林の特徴や主要樹種についての復習(振り返り)を行い,アカデミーに戻り解散となりました。参加者の皆さん,スタッフの皆さん,お疲れさまでした。次回は西ウレ峠のブナ林を歩きます。今回の反省を活かし,より良い講座にしたいと思います。乞うご期待!