2014年7月8日火曜日

木を診て、山を見る木材の販売戦略

林産収入をより高めるために

 森林文化アカデミークリエーター科林業再生講座2年生の『木材の販売戦略』、今回は岐阜県
森林組合連合会 岐阜林産システム推進センター樋口所長さんに、現地で林産収入をより高
めるために何をすべきか。何を考える必要があるのかを学びました。

 実は樋口所長さんは、JIRIと同級生(保育園から高等学校まで同じ)という友人。そして、樋口
さんは机上ではなく、現場の立木や丸太についても、最も詳しい人物の一人。


 木の見方として、樹種、林齢、受講、胸高直径、生育状況、被害状況などから全体の価値を見る
山の見方として、蓄積、搬出面積、搬出材積、金額などを見る。

 より高く売れる採材、売れない規格をつくらない現場対応が重要。



 売り先の無い造材にならないこと。売れる木材を生産する。・・・情報と人脈、マーケット・インの
フィードバック。
 『短期間に、大量に出材し高く売る』のが基本。

  『太い木がお宝』とする昔からの思い込み。『元玉が高い』とする昔からの思いこみ。
木材取引の現状を勉強するには、雨の日には市場を見ることも一策である。

 山では、どんな材が、どれくらいあって、どんな売り先へいくらで売れるのか? が重要。


 現場によっては昔の街道筋に、お地蔵さんや道祖神がある。こうしたものを大切に扱うのも
「山の作法」であり、最低の儀礼を祓うべき。



 この林の中で、どれが高く売れるのか? を値踏みするが、一方向から見て「2ヶ所曲がりがあ
る」と思ったものが、逆から見ると「4ヶ所曲がっている」ことに気づく。

 一本一本もしっかり見る。太さを推測する目安は例えばヘルメットの幅、多くのヘルメットの幅は
22cmなので、それから推測するのも一策。では、樹高はどう見るか?

 ここのヒノキは木毛セメント板の竹村工業(長野県)に直送したとか、韓国に輸出したとか、森の
合板工場に直送したとか。様々なお話をお聞きした。


 途中、本巣市側では、地元の林業研究グループが次世代に引き継ぐ林業として提案した織部杉
の現場に移動。

 『織部杉』とは、樹齢が100年以上で、胴高幹周りが2m以上、林道作業道から300m以内にある
個人所有のもので、次世代に引き継げるようなスギを地元で選抜したものです。
  http://www.foresternet.jp/app/srch1/get_file/10436

 現場で見たスギは有名な金原明善(きんぱら めいぜん)が指導して地元で選抜したスギを植え
たもの。濃尾震災によって壊滅的なった岐阜県の顧問となった金原明善が植林を指導したことでも
有名。
 石柱には織部杉の文字が記されている。

 最後に砂防指定地の若いヒノキ林での間伐状況などについても、お話を伺った。
とにかく樋口所長さん自体が、「今の仕事」だけでなく、「その先にある仕事」をも見据えて実行に
あたっている。

 それが学生の刺激になってくれたことを願いながら、現場を後にしました。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。