2015年5月21日木曜日

販売戦略のために、流域材で売るか、良質材で売るか

ナイス株式会社と東海木材相互市場で学ぶ現実の木材販売



 みなさん、JIRIです。今日はクリエーター科林業再生講座2年生が学ぶ『木材の販売戦略』です。

 本日は愛知県小牧市のナイス株式会社中部木材部と愛知県大口町の東海木材相互市場
お邪魔して、木材の販売戦略について考えました。

 最初にナイス株式会社中部木材部で、西日本木材統括部長 兼 木曽川流域木と水の循環シス
テム協議会専務理事青木良篤 さんから、NICEの販売戦略、中でも「木曽川流域材」を中心に
お話しして頂きました。

 NICEは「お客様(エンドユーザー)に素敵な住まいづくりを心を込めて応援する企業」を目指し
ており、建築資材事業、住宅事業などの事業を展開し、全国に16の木材市場、14ヶ所の物流セン
ター、また海外にも事業展開しています。

 建築資材事業ではオール国産材仕様でJAS認定による「プレミアムパッケージ」を提供したり、
住まいの耐震博覧会」を開催したり、住宅事業では環境対応型住宅の「LCCM(ライフ・サイクル
・カーボン・マイナス)住宅」や復興応援型住宅「フェニーチェホーム」、「住まいるCafe」の展開を
されています。

 また岐阜県を含む全国7ヶ所に総面積1,805haの「ナイスの森」も社有林として管理されておられ
ます。

  
 今回は私の希望で木曽川流域材を詳しく説明して頂きました。木曽の森林は天然林と人工林
が50%:50%、なおかつ木曽川流域はじょうりゅうは良質な森林資源があり、下流はその木材を必
要とする住民が多い。

 そこで「流域思考」を導入して、山の恵み、川の恵み、水の恵み、地域を支える自然の恵みを
知り、その恩恵を次世代に継承していく木曽川流域材を使用した家づくり、ライフスタイルを提案
しています。

  長野県の木曽谷地域(国有林)を見ても、森林は年々13万立方メートルも成長(増加)している
のに、伐採しているのは9万立方メートル、市場に出荷されているのは5 万立方メートル。
 森・里・海をつなぐ川でつながれた連環の中で生かされている私たちは、上流の森や里の資源
を使い循環させていく責任がある。・・・・そしてこれにつながる「流域活性化」

  「流域は共生と循環の経済文化圏である」とする『流域思考』、川は命のつながり、流域地図
は都市を支える生命圏の地図。
  「点と点としての地域から、川を幹に結び合う流域へ
       ・・・流域思考による経済活動は自分たちの環境を「健康」にしていく取り組み。


 流れが結ぶ地産の恵み、尾張名古屋は木曽川でもつ。

 CSR活動からCSV(Creative Shared Value:共有価値の創造)経営へ、
売り手良し、買い手良し、世間良し。 社会的課題の解決(公益)と事業益の両立。

 この産物の一つが「木曽川流域材」なのです。


 その木曽川流域材の活動が(一社)レジリエンスジャパン推進協議会に認められ、
最優秀レジリエンス」受賞に導いたのです。


 ユーザー接点のブランド化(3つのイベント)
   ①木曽川流域体感ツアーの開催
   ②木曽川流域感謝祭(暮らしのマルシェ)
   ③住まいの大震博覧会
     ・・・・・・・・・・イベントサイクルにより接点ブランド化を推進。 B to B、B to Cで企画。


  2つのサプライチェーン(多産地連携と地産地消)


  アッセンブルメーカーとしてのナイス株式会社。 その取り組みは多彩、単なる建材販売でない。
腐りづらく、柔らかな飫肥杉の心材のみを利用したウッドデッキの提案もその一つ。

 最近の柱材は背割れの無いものが65%を占めている。


 一般建材を常時揃え、QCD(品質、価格、納期)を考えるのが一番難しい。

 倉庫の中には社寺仏閣用建材もたくさんありました。


 とにかく製品のストック量が半端無い。

 もちろんWWやSPF、レッドシダー、ベイマツなどの外材もそれなりにストックされていました。
やはりQCDがネックになっています。


 木曽川流域材には「木曽川流域のロゴマーク」が張ってありました。
こちらの木材は岐阜県の倉地製材さんの製品でした。

 木曽川流域 水と期の循環システム協議会の会員は152社あるそうで、毎年増加傾向。


 今日は午前から昼過ぎまで青木さんから様々な事業展開をお聞きしましたが、学生も初めての
製品市場に目を白黒。 もちろんナイスさんの見事な販売戦略に感動したと同時に、山の木を生
かすのに何をなすべきか。
 国産材のボトルネックは何か。柱材や梁桁材、板材だけを考えていては意味がない。など
多くの学びを得たのです。



 さて、後半戦は東海木材相互市場で、執行役員であり市場長である小森淳史さんから、相互
市場の取引についてお話をお聞きしました。

 明日は記念市という忙しい中、原木市場、製品市場、木材乾燥機、東海プレカットなど様々な
ものを紹介して下さいました。

 下の写真は、今回最も太いスギ原木。 年輪も良く、太いのに、このスギには一つの欠点が
あるそうです。

 その欠点が下の写真にある「針」と呼ばれるものです。知っていますか?
   どうして出来るか、産地はどこかを記すのは控えさせて頂きます。

 これが出れば板材としては価値がない。 困ったものです。


 下のヒノキは色合いも良く、末口56cmのヒノキ材。 これはイイ材です。


 続いて真っ赤に見える木口面のカラマツです。心材が大きく、辺材はごくわずか。
今回もスギ、ヒノキだけでなく、カヤ、トウヒ、イチョウ、マカンバ、サワラ、イチイなど普段は見る
ことの無い様々な原木が並んでいました。

 

 乾燥機はヒルデブランドの減圧できる立派なものが並んでいました。これで品質の良い乾燥材
を出荷されるようです。

 他にも東海エコドライシステムも見せて頂きました。


 プレカット材のうち化粧用のものは、一つずつ包装して出荷される徹底ぶり。

 商品としても木材管理が素晴らしい。プレカットはコンピュータ制御ですが、不定形材は
職人が手刻みで加工もしています。


 東海木材相互市場は浜問屋さんによる複式市場を運営しており、平成26年度の取り扱い実績は
大口市場で9万立方メートル、サテライト名倉で22700立方メートル、サテライト美並20400立方メー
トルを取り扱われており、平成25年度の市場合計金額は118億円です。

 原木入荷は岐阜県からが最も多く41.5%、次いで愛知県から14.9%となっており、関東も埼玉県
飯能や東京の青梅から枝打ち材が入荷しています。


 大口市場は役物(別品材)を競り売りで、並材はサテライトで5段階に品等区分して工場へ送る。

 A材は35%、2A材は15%で製材工場へ、B材は10%で集成材や合板工場へ、2B材は25%で
合板工場へ、C材は5%でチップ工場やバイオマスとして流通させます。

 プレカット材の端材は人工乾燥されているため、粉砕して「おが屑」として流通させるそうです。


 さて、今回はナイス株式会社の青木様と、東海木材相互市場の小森様には大変お世話になり
ました。有り難う御座いました。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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