2015年6月16日火曜日

里山景観マイスター養成講座(Advanceコース)渋柿畑と里山を復元する


2015年の「里山景観マイスター養成講座」は、BasicコースとAdvanceコースの2コースを開催しています。http://gifuforestac.blogspot.jp/2015/04/2015.html

Advanceコースは、昨年度Basicコースを修了された方向けの、いわば中級編です。今年度は「渋柿畑と里山を復元する」をテーマに全4回で学びます。日本の里山ではおなじみの果樹でありながら、近年は農産物として顧みられなくなってきた「渋柿」を見直して、カキシブの伝統復活と新たな活用法を皆で考えます。最終的には受講者それぞれが自分のフィールドで、里山資源の保全活用に取り組む力を養うことを目ざしています。



講座のフィールドは、美濃市に隣接する山県市の伊自良地区(平井集落)です。梅雨の合い間の快晴となった 613日に第1回の「伊自良の里山調査と摘果作業の体験」を行いました。平井集落は「伊自良大実」という渋柿の品種の発祥地とされ、今年度から「伊自良大実連合会」を結成して生産と販売に意欲的に取り組んでおられます。


さっそく柿畑へ出て、まず柿の木の栽培法について、連合会の副会長である栽培農家の方にレクチャーを受けました。枝を低い場所で伸ばし、樹皮を剥いたり傷つけたりすることで枝先まで養分を行き渡らせ、大きな実が成るよう仕立てていきます。



柿の木を弱らせる害虫もいます。特に今年はマイマイイガが大量発生し、幼虫が柿の葉を食べ尽くしてしまう被害がひどいとのこと。加えて、サル、シカ、イノシシの獣害もあります。その対応策として、まず周囲の里山を50メートル幅で間伐し、動物とのバッファーゾーンとする整備を27年度から開始する計画だそうです。



午後は、まだ青くて小さな柿の実の摘果作業を行いました。かつては岐阜市の和傘産業をお得意先として塗料である「柿渋」を出荷していた伊自良地区ですが、その後は「干し柿」へ転換し、今では「伊自良の連柿」として岐阜の風物詩になっています。大きな実を収穫するために、一枝に1ケ残すよう剪定バサミで形の悪い実を切り落としていきます。



農家さんに落とす実の判断基準や作業の注意点を習った後は、みな真剣そのもので作業に取り組み、約40本の摘果作業を行いました。でも農家さんの作業はまだまだ続くんです。

  
  

じつは平井地区だけで約400本の放置された柿の木があるそうです。これらを少しずつ手入れして、かつて特産品であったカキシブを復活する取り組みが、若いメンバーを中心に始まっています。



今回は、私たちの中に、渋柿に対する興味や問題意識が芽生えたように思います。塗料としての「柿渋」の需要縮小、安価な外国産に押される「干し柿」の現状、加えて農家の高齢化により放置される柿畑が増え、それが周囲の里山から獣害を呼び込んでいます。そうした社会経済的な状況変化と里山の環境変化が関連していることが実感できました。


ではこうした問題の解決にはどうすれば良いのか? その気持ちを保ちながら、次回は「柿渋絞りの体験と塗料としての柿渋を学ぶ」と題して、95日に開催します。伊自良大実連合会の皆さんと力を合わせて、良い講座にしていきたいと思います。


報告 山村づくり講座 教員 嵯峨創平

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