Rigging技術を磨けBasic Arborist Training 3 A (BAT-3A)
みなさん、JIRIです。今日は「樹上作業のためのアーボリスト®トレーニング」 4日目、
本日は既にBAT-2受講済みで、ある程度の技術経験を持った方たちのみを対象とした
研修です。
参加者は宮崎県、愛知県、岐阜県の5名、講師は宇治田さんと近藤さん、そしてJIRIです。
ベーシック アーボリスト® トレーニング レベル3A(通称 BAT-3A)は高等なヘビーリギングの
実践トレーニング(TECHNICAL HIGH ANGLE AND HEAVY RIGGING)を実施します。
受講の条件は、BAT-2受講済みでチェンソー特別安全教育 講習2日間修了していること。
また参加前には、リギングの基本的事項について復習しておくことが条件です。
最初に、本日作業を進める対象木(コナラ)の枝が、工場の屋根と電線に悪影響を及ぼさ
ないように仕事をする。
下の写真で右側に張り出した下の方の枝ですが、事前に宇治田さんが先端部分を剪定して
参加者が作業しやすく手を加えてあります。
この講座で学ぶのは、
①ハイアングルおよびヘビーリギング衝撃荷重と静荷重 重力加速度の理解
②ロードの重さと大きさ 落下距離よる衝撃荷重の計算
③強度適格なリギング用ギアの取捨選択
④リギングロープ・ブロック・フリクションデバイス
⑤コネクティングリンクス スリング等 相互の相性
⑥ロープ径がより太い場合のリギングロープ取り扱いの注意点
⑦ヘビーリギング作業時に求められるグランドワーカーの配置・資質と役割
⑧各種のリフト手法 理解と実践訓練
⑨スピードラインおよび複数のリギングロープを駆使したより複雑なリギング
⑩ツリー専用スパイクの選び方と使い方のデモンストレーション
リギングする枝の長さは約8m、これを二回に分けて切断し、スピードラインで回収します。
切断する枝の約6m上にリギングブロックをつけ、枝を2点吊りのバランシングで処理します。
設定は参加者の西本さんと宇治田さんの2人、他の人はグラウンドワーカーとしてRC2001や
ポータラップ、リギングライン、スピードライン、フィドルブロックなどの設定です。
先端部分の約4mは宇治田さんが手鋸で、受け口を上側につくり、続いてカフカット、最後に
下側から追い口を入れて、安全なところに待避しました。
枝を下に落とすと工場の屋根や電線に支障をきたすため、リギング用に設定したロープで枝を
上側に引き上げて切断できるようにセット。
ロープをフィドルブロックとポータラップ兼用で引き上げると、 枝は見事に回収されました。
切った枝は目標となるランディングポイントまで移動させて、グラウンドワーカーが処理します。
続いて、枝の元部分の切断です。
これもバランシングで、しかし今度はチェンソーによる切断です。
手鋸と同様に受け口を切って、リギングロープやスピードラインを引き締めます。田さんが避難し、ロープで
手鋸と同様に受け口、カフカット、追い口を切ったら、宇治田さんが避難し、ロープでツルを
折って切断完了。
意外に簡単に切断が終了しましたが、これも宇治田さんがうまく切断した結果と、グラウンド
ワーカーが一致団結して作業した結果。
最後に、幹部分に残ったバークリッジを傷つけないよう切り戻しをして、樹上でのリギング作業
は完了、あとはギア類の後かたづけです。
午後の後半は、本日の作業の復習をしました。 今日も「こならの小径」です。
教室より気持ち良い。
声かけは充分だったか。 事前の計画のシェアリングは良かったか。 何が足りなかったか。
様々、復習して今後の作業に生かします。
特殊な枝の吊り方、フィッシングポール(共吊り)のときに、どこのブロックとスリングを最も
強度あるものにすべきか?・・・・判りますか?
今回はATI(アーボリスト® トレーニング 研究所)から派遣された宇治田・近藤トレーナー
が4日間、丁寧に知識と技術を披露してくれました。有り難う御座いました。
大変危険な樹上作業ですが、「安全作業」を目指した技術習得こそが自分の身を守る
最短の方法です。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
BAT-2 http://gifuforestac.blogspot.jp/2015/09/arborist-bat-2-in.html
BAT-1 http://gifuforestac.blogspot.jp/2015/09/arboristbat-1in.html