2015年9月15日火曜日

こんな写真撮影会もあり?! 里山in-Qシリーズ: 「里道ガイド ~中山の八十八地蔵めぐり写真散歩」 を開催しました!



森と木のオープンカレッジ「里山in-Qシリーズ」の「里道ガイド~中山の八十八地蔵めぐり写真散歩」を9月13日(日)に開催しました。里山(農山村)の道や森を歩きながら、ゆったりした田舎時間と、里人の暮らしや人柄に触れる機会になればと企画した「里道散歩」の企画です。

今回は、森林文化アカデミー教員の中で最も写真に精通した「フォトグラファー和田けんじ先生」をゲスト講師をお迎えしました。

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ということで、ここからは写真の講師をさせていただいた和田がレポートします!

ユネスコ無形文化遺産に登録された「本美濃紙」。その和紙の手漉きが盛んにおこなわれていた美濃市蕨生(わらび)地区。その中心に地元の方から「中山」と呼ばれ親しまれているこんもりした山があります。(還流残丘といわれる珍しい地形だそうです)

小さな山の周りを家屋がぐるっと取り巻いています。(Googleマップ)

その標高250mほどのちいさな山には、美濃和紙の生産が最も盛んだった大正時代末期に地元の人たちが寄進した88体の地蔵があります。かつては、祭りを中山の頂上でおこなったり、宴の席を地蔵の前に敷物を敷いて開いたり、とまさに暮らしのまん中であり、庶民の素朴な信仰の対象でした。

しかし、今はかつてとはちがい、暮らしの中に中山やお地蔵さんは出てこなくなり、地域のおじいさんおばあさんの昔話のなかで細々と語り継がれているだけです。お地蔵さんたちは、静かに山道のそばに佇み、蕨生の今を見ています。

今回の「里道ガイド」では、写真というものを通してこの地域の文化的な背景に思いを馳せてみよう、という試みで講師をさせていただきました。そこで、ただ写真を撮るだけでは物足りないので、「お地蔵さんの声を聞こう」と呼びかけました。かつて身近にあったお地蔵さんを、現代の感覚で身近に感じるように、実際お地蔵さんと対峙した時に参加者それぞれが感じたお地蔵さんの「声」を写真とともにみんなと共有する写真ワークショップを企画したのです。



登山をする前に、まずは私から「いい写真とは?」というお話をさせていただきました。参加者皆さん写真やカメラにも興味があると言ってくださったので、一眼レフなどいいカメラを持っていなくても取り入れることができる知ってると役立つ写真の撮り方を紹介させていただきました。30分ほどの簡単なレクチャーでしたが、「いい写真=伝わる写真」ということで、特に今回は「お地蔵さんの声を聞く」というテーマを設けたので、新しい視点で写真撮影に臨めたんじゃないかと思います。


では、さっそく中山で軽い登山をしながら、次から次へと現れるお地蔵さんたちの撮影に向かいます。大人の男性陣がお地蔵さんという被写体に群がり写真をとる様子は、それだけで面白いもんです。



 ゆっくり時間をかけて頂上まで写真をとりながら登りました。頂上でお昼休憩をして反対側へ下山し、紙漉きが盛んにおこなわれていた街並みを散歩しながら元の集合場所である「旧古田薫邸」へ戻ってきました。



途中、本美濃紙保存会会長で手漉き和紙職人である澤村正さんがちょうど漉いた和紙を干し板で乾かしている現場に遭遇。澤村さんからも本美濃紙や中山への思いを伺うことができました。「富士山は日本一高い山、中山は日本一かわいい山」とおっしゃっていました。


さて、少し時間がオーバーしましたが、参加者各自撮影した写真の中から1、2枚提出してもらいお地蔵さんの「声」を紙に書き出してもらい、お地蔵さんになりきってみんなの前で発表してもらいました。人それぞれの観点で聞くお地蔵さんの声は、とてもユーモアがありました。

以下、参加者皆さんの作品を掲載いたします。

Cさん

Fさん

Hさん

Kaさん

Kunさん

Nさん①

Nさん②

Yさん①

Yさん②

Yさん③

Yamさん

和田
 以上、「里道ガイド ~中山の八十八地蔵めぐり写真散歩」のレポートでした。