2015年10月15日木曜日

林業の持続について思いを馳せられたか? 製材工場と苗木生産の見学



 岐阜県では各市町村に「森林管理委員会」なるものを置いて、地域の森林の取り扱いや林業振興などについて協議しています。岐阜農林事務所が所管する「山県市森林づくり会議」・「岐阜市林業会議」・「本巣市森林整備推進会議」の3市合同の視察会が開催されました。

 行き先は郡上市白鳥町の「長良川木材事業協同組合」の製材工場と「白鳥林木育種事業地」です。この視察に、クリエーター科で林業を学ぶ学生(2年生6人)も同行させていただきました。

 まずは、製材工場です。広い敷地に真新しい工場が建っています。


 長良川木材事業協同組合の製材工場は、この9月に稼働を始めた大型製材工場です。当初は年間5万立米の原木需要を見込んでいますが、将来的には年間10万立米まで拡大する計画があります。これまで岐阜県内には、年間10万立米規模の操業が可能な合板工場とバイオマス発電施設が稼働しています。この製材工場を加えて、同規模のA材・B材・CD材を利用する施設が揃ったことになります。


 工場を見学しその概要をお聞きすることで、今後の林業の展開を考えるヒントが得られたと期待してします。


 次に訪れた林木育種事業地では、岐阜県森林研究所の茂木研究員からコンテナ苗の説明を受けました。



 木材需要が拡大したことで、人工林の伐採利用が進むことが期待されます。皆伐も増えると予想され、伐採後の再造林が今以上に課題となると考えられます。

 造林面積が減少する中で、今の苗木の供給体制では将来の苗木需要に応えられません。また、低コスト化につながる苗木の開発も必要です。 コンテナ苗はそれらに繋がるものとして期待されています。

 しかし、期待どおりに行くかどうかは、まだまだ検証していかなければなりません。その意味でも、コンテナ苗のことを知るのは意義があります。



 今回の見学は、直接に森林施業の現場ではありませんでしたが、林業の持続を考える上で、とても有意義であったと思います。視察への同行を許してくださった関係者の皆さま、ありがとうございます。