【 山村づくり講座:地域生活実習授業報告】
山県市柿野にて「桑の木豆」の収穫をお手伝いしてきました
6月に「桑の木豆」を播いてから3か月。そろそろ収穫時…という連絡を頂戴し、さっそく収穫のお手伝いに。自分達が植えたものがきちんと実になっているのか、ご迷惑をお掛けしていないか、ドキドキしながら向かう。
畑で、石神みち子さん、石神敏正のお二人(姉弟)と再会!
変わらずお元気で、変わらず腰が低く「ありがたい、ありがたい」と迎えてくださった。こちらこそ、迎え入れていただき感謝です。
さて、収穫のお手伝い!と思いきや、なぜだか労働の前に「おやつ(お十時)」をいただくことに。キレイに蒸かされたオイモを前に、思わずニンマリ。。。
いただいた分はお返ししなければ!と、張りきって豆収穫へ。
キレイに赤く実った豆を付け根でちぎりながら取る。
虫食いは別のバケツへ。乾燥豆として売れるもの、もしくは種として使えそうな豆も分けておく。
自分が食べるものではなく、誰かの口に入るものだと思うと、ちぎり方にも気を遣う。思いがこもる。その緊張感がまたいい。
緑のアーケードの下から、豆を見上げると、緑と赤の隙間から、雲一つ無い青空が見える。
最高の収穫日和!!取れば取るほど身体もキモチも元気になっていく。
この畑で桑の木豆を作り始めて10年以上。初めは15㎝しか無かった土壌も、今は倍の30㎝にまでなったとのこと。同じことを繰り返すだけでなく「試行錯誤×継続」の成果なのだろう。
「私はおしゃべりやもんで(笑)今日はみなさんが来とるもんでウキウキやっとるが、普段はねー、1人やでこうはいかんわ」と、みち子さん。
「高いところはよう届かんで。背も縮んどるしなぁ。そやから、みなさまに来ていただいてほんとにありがたい」
みち子さん、敏正さんから、「ありがたい」という言葉を何度いただいたことか!気持ちがポカポカあったかくなっていく時間だった。
今年は、植えた時期や、間引き方がうまくいったようで、キレイに、たくさん実っていた。午前中いっぱい、学生5名、教員1名でやっても、アーチ1列分終わらず!1/4ほど残して時間切れ。悔しい~残念!
それでも、60キロ以上は収穫!この後、一級、二級などに選り分けたり、パッケージする作業が待っている。
収穫した豆はどうする?
1級品は、特産品としてパックにして「ふれあいバザール」や「ラステンほらど」で売っている。
2級品も、パックにして直売所で売る。もしくは、個人で欲しいという方も大勢いるとのこと。
4粒以上で、見た目もキレイなものが1級品。ほんのちょっと黒点があっても、1級品にならない。
(一級品で1kg1500円、二級品で250g200円)
「ふれあいバザール」では、地域特産品として「桑の木豆」を様々に加工して推している。六次産業化とも言えるだろう。市としても、特産品生産・加工への支援を進めているようだが、実際には「手間暇も含めたコスト」と「利益」が見合わず、次々に生産者が増えていっているわけではないようだ。
みち子さんのお話で印象深かった言葉。
「生産者も考えなければいけない」
作ったものを売るということは、つまり、食べてもらってなんぼ!生産するだけでなく、どうしたら売れるかを真剣に考える。例えば、ニンニク味噌に一片でも黒ニンニクをのっけるだけで、売れ方が変わってくる。
自分のことだけでなく、直売所運営のことも同時に考える。持続可能な運営、地域の未来も見据えながら、自分ができることを仕掛け続ける。
「蟻の目」と「鳥の目」両方をお持ちのみち子さんだからこそ、伝わってくるメッセージに「力強さ」があるのだろう。
「直売所で買う」風潮や、生産者・消費者間における「顔が見える関係作り」の動きが、以前より盛んになってきているように感じる。「食」へ直につながる「農業」ができること。だとしたら「林業」は?
農業よりもさらに「つながり」が見えにくい。「水源」「エネルギー」「地球温暖化」…様々な切り口で伝えたとしても、「その日の暮らし」とつながりにくく、自分事になりにくい。
だからこその森林環境教育?!木育?!だとしたら、どんな体験的な学びがそこで展開できるか?そんなことを考えるきっかけをいただいた時間だった。
桑の木豆(生)の調理方法!
①鍋で水から、“さや”のまま煮る。水の量は豆を入れて、ひたひた程度。
②沸騰してアワアワが出てきたら一度ザルにあけ、新しい水に変えて煮る。
③皮が柔らかくなってから(指でちぎれる程度)、調味料を入れる。
④砂糖、塩、最後に、隠し味程度に醤油入れるとおいしい(醤油の入れすぎに注意!)
塩ゆでしてから衣をつけて、てんぷらにしても美味!(もちろん“さや”のまま)
※写真左の皿:甘さ控えめで煮た豆/右の皿:甘めに煮た豆
報告 おかちゃん@岡亜希子
投稿 原島